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SSH生物実験実習講座「『光る大腸菌』をつくろう!」を行いました。

平成29年10月8日(土)午後および9日(日)午前にスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の生物実験実習講座として「『光る大腸菌』をつくろう!」を本校の生物実験室で実施しました。


この講座の目的は、オワンクラゲの緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする遺伝子が組み込まれたプラスミドDNAを大腸菌(E.coli K-12株)に導入し、アラビノースオペロンで転写調節を行い、紫外線照射で緑色の蛍光を確認する実習をとおして、分子生物学の基礎を体験的に楽しく学習することです。

 

講座では、まず、2008年ノーベル化学賞受賞の下村脩先生が発見したオワンクラゲに由来する緑色蛍光タンパク質(GFP)の生命科学への応用や細菌の形質転換の方法、プラスミドDNAが導入された大腸菌の選別のしくみ、導入したプラスミドDNAの遺伝子形質発現のしくみ等についてスライドで講義を聴き、それらの理解を深めました。


英語のスライドで緑色蛍光タンパク質(GFPの生命科学への応用や細菌の形質転換の方法などについて学習しました。

続いて大腸菌を用いて形質転換の実習をしました。実習は、生徒自身が方法の意味や目的を思考し、判断し、操作すること、および充実した個別指導ができるよう一人1セットで実施しました。実習では無菌操作などの微生物学実験の基本を体験しました。


形質転換させる大腸菌のコロニーをスタータープレートからすくい取り、緩衝溶液に溶かします。



42℃でヒートショックした大腸菌をプレートに滴下し、広げます。その後、37℃で1日培養します。


講座は3時間半に及びましたが、どの生徒も講義や実習に向き合う姿はとても意欲的で、最後まで集中力を切らさず、熱心に取り組んでいることが印象的でした。


翌9日(日)は、前日の操作の結果観察とその考察をしました。まず、培地の種類によるコロニー(細胞集団)形成の有無とコロニーの形態の特徴を観察しました。次に、形成されたコロニーに紫外線を照射して蛍光の有無を確認し、コロニー数を計測して形質転換効率について考察しました。最後に培地に添加した抗生物質(アンピシリン)や発現調節をする物質(アラビノース)の有無により、コロニーの形成や蛍光の違いが生じた理由を考察しました。


培地の種類による大腸菌コロニーの形成の有無を確認し、スケッチする



プラスミドDNAが導入された大腸菌は、アンピシリンで選別され、培地に添加したアラビノースによりGFP遺伝子が発現します。紫外線を照射すると緑色の蛍光を発します。(写真 前列、左のプレート)

この講座に参加した生徒は、講義および実習の結果の予想と考察をすることで分子生物学の基礎的な知識を学ぶことができました。また、実習で形質転換(遺伝子導入)の方法を体験したことで、遺伝子を操作して生物に目的の性質を発現させることや有用な物質を生産するバイオテクノロジー(生物工学)の理解が深まりました。この体験は今後の生物の学習意欲向上や生命科学分野への進路選択につながると思います。