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SSH講座「光る大腸菌をつくろう!」を行いました。

平成27年6月13日(土)午後および14日(日)午前にスーパーサイエンススクール(SSH)のSS生物ユニットの講座として「光る大腸菌をつくろう!」を1・2・3年生の希望者32名を対象に実施しました。

この講座の目的は、オワンクラゲの緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする遺伝子を組み込んだプラスミドDNAを大腸菌に導入して発現させ大腸菌を発光させる実験をとおして、分子生物学の基礎を体験的に楽しく学習することです。

 

当日は知的好奇心の旺盛な生徒で生物実験室が埋まりました。講座では、まず、英語のスライドで2008年ノーベル化学賞受賞の下村脩先生が発見したオワンクラゲに由来する緑色蛍光タンパク質の生命科学への応用や細菌の形質転換の方法と選別のしくみ、導入したプラスミドの遺伝子形質発現のしくみ等について講義を聴き、その理解を深めました。

 

続いて大腸菌を用いて形質転換の実験をしました。実験は、生徒自身が実験操作の意味や目的を思考し、判断し、操作すること、および充実した個別指導ができるよう二人一組で実施しました。実験では無菌操作などの微生物学実験の基本を体験できました。


 
形質転換させる大腸菌をプレートからすくい取り、緩衝溶液に溶かす。



GFP遺伝子を組み込んであるプラスミドを大腸菌に加える。



42℃でヒートショックを行い、プラスミドを大腸菌に導入する。



形質転換された大腸菌を選別する抗生物質のアンピシリンに抵抗性を持たせるため、LB培地を加え、10分間、室温で放置する。



大腸菌をプレートに滴下し、広げる。その後、37℃で翌日まで培養する。


講座はほぼ3時間半連続しましたが、どの生徒も講義や実験に向き合う姿勢はとても意欲的で、最後まで集中力を切らさず、熱心に取り組んでいることが印象的でした。

 

翌14日(日)は、前日の実験の結果とその考察をしました。まず、培地の種類によるコロニー(細胞集団)形成の有無とコロニーの形態の特徴を観察しました。次に、形成されたコロニーに紫外線を照射して発光の有無を確認し記録をとりました。最後に培地に添加した抗生物質や発現調節をする物質の有無により、コロニーの形成や発光に違いが生じた理由を考察しました。



プラスミドが導入されて形質転換した大腸菌は、アンピシリンで選別され、培地に添加したアラビノースによりGFP遺伝子が発現する。紫外線を照射すると緑色の蛍光を発する。(写真 左から2つめのプレート)

 

この講座に参加した生徒は、形質転換(遺伝子導入)の実験を体験したことで、遺伝子を操作して生物に目的の性質を持たせたり、有用な物質を生産するバイオテクノロジー(生物工学)の理解が深まったと思います。この体験は今後の生物の学習や進路選択によい影響を与えると思います。