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SS生物ユニットで「光る大腸菌をつくろう!」を行いました。


   平成25年6月22日(土)午後および23日(日)午前に、スーパーサイエンススクール(SSH)のSS生物ユニットの講座として「光る大腸菌をつくろう!」を1・2・3年生の希望者27名を対象に実施しました。
 
 
    この講座の目的は、オワンクラゲの緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする遺伝子を組み込んだプラスミドDNAを大腸菌に導入し、発現させ、大腸菌を発光させる実験をとおして、遺伝子の発現調節や形質転換等のバイオテクノロジーと分子生物学の基礎を体験的に楽しく学習することです。
 
   当日は知的好奇心の旺盛な生徒で生物講義室が埋まりました。講座では、まず、スライドで2008年ノーベル化学賞受賞の下村脩先生が発見したオワンクラゲの緑色蛍光タンパク質の生物研究への応用や細菌の形質転換の方法と選別のしくみ、導入したプラスミドの遺伝子形質発現のしくみ等について講義を聴き、その理解を深めました。

    続いて生物実験室に移動して大腸菌を用いた形質転換の実験をしました。実験は、生徒自身が実験操作の意味や目的を思考し、判断し、操作すること、および充実した個別指導ができるよう二人一組または一人ずつに分かれて少人数で実施しました。実験では細菌学実験の基本操作を体験しました。

 
スタータープレートの大腸菌コロニーをチューブの緩衝溶液にとかす。
 

    講座はほぼ3時間連続しましたが、どの生徒も講義や実験に向き合う姿勢はとても意欲的で、最後まで集中力を切らさず、熱心に取り組んでいることが印象的でした。

 ヒートショックをしてLB培地に懸濁した大腸菌をプレートにまいて広げる。
 
   翌23日(日)は、前日の実験の結果とその考察をしました。まず、培地の種類によるコロニー(細胞集団)形成の有無とコロニーの形態の特徴や数を観察しました。次に、形成されたコロニーに紫外線を照射して発光の有無を確認し記録をとりました。最後に培地に添加した抗生物質や発現調節をする物質の有無により、コロニーの形成や発光に違いが生じた理由を考察しました。
 
左から
紫外線で緑色蛍光を発光する大腸菌コロニー(+DNA  LB/amp/ara)
形質転換したがアラビノースがないので発光しない大腸菌コロニー(+DNA  LB/amp)
形質転換していないのでアンピシリンを添加した培地では生育できない(-DNA  LB/amp)
一面に大腸菌が密に生育する(-DNA  LB)
 
+DNA:プラスミドDNAを加えた大腸菌
-DNA:プラスミドDNAを加えていない大腸菌
LB:LB培地(大腸菌の生育に使用する培地)
amp:抗生物質のアンピシリンを添加
ara:アラビノース(GFP遺伝子を発現させる物質)を添加
 
 プラスミドが導入されたが、光っていない大腸菌コロニーにアラビノースを添加して発光するかを確かめる。 
  
    この講座に参加した生徒は、形質転換の実験を体験したことで、遺伝子を操作して目的の物質を生産するバイオテクノロジーの理解が深まったと思います。この体験は今後の生物の学習や進路選択によい影響を与えることでしょう。