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SSH生物実験実習講座「透明骨格標本をつくろう」を行いました。

 この講座は、平成30年6月7日(木)から7月20日(金)までの、のべ11回から構成され、本校のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の目的である「科学的素養」の育成事業の1つとして実施しました。講座では、小型魚類等の軟骨と硬骨を二重染色して透明骨格標本を作製し、骨格の立体的な配置を観察しました。また、魚類・両生類・爬虫類・哺乳類それぞれの骨格の特徴も理解することができました。
 標本の作製に先立って、受講した生徒は、「二重染色による透明骨格標本の作製」についてスライドによる講義を受け、実験実習の概要と染色と透明化の原理を学習しました。また、標本作製の途中の7月14日(土)には、映像とスライドおよび実物のニホンジカ等の骨の観察を含む講義により、脊椎動物の骨格について比較解剖学的に幅広くかつ深く学びました。


「二重染色による透明骨格標本の作製」のスライドによる講義

 標本の作製は、標本にする小型の魚類(琵琶湖産小アユ、金魚、メダカ等)や両生類(ダルマカエル)を購入または採集してホルマリンで固定することから始めました。標本にする個体の内臓と鱗を除去し、漂白した後、アルシアンブルー染色液で軟骨染色しました。その後、約1ヶ月間、水酸化カリウム水溶液に浸漬して透明化しました。次にアリザニンレッド染色液で硬骨染色した後、エタノール脱水、グリセリン浸透して標本を完成させました。生徒一人ひとりが継続的に全行程を行い、標本が完成するまでの過程を体験しました。 

 透明骨格標本の作製過程の記録


軟骨染色:アルシアンブルー染色液に約2時間浸漬



透明化:KOHに約1ヵ月浸漬


硬骨染色:アリザニンレッド染色液に約2時間浸漬


脱水:50%エタノールに浸漬(アユ)

 標本の作製において使用する染色液等の調整は生徒が主体的に行いました。まず調整する染色液の成分とその割合、脱水や透明化、グリセリンの浸透などに使用する各種類の溶液の濃度とその使用量から量り取る原液の体積や粉末の質量を計算して求めました。次に、試薬等の計量方法と調整手順を検討し、使用する器具を考え、実際に染色液等を調整しました。実験の基本である試薬の調製を体験的に学習しました。



防腐剤(チモール)をグリセリンに溶かす


標本をスクリュー瓶に移す

 講座の最後に、学名等を記したラベルを瓶に貼り、作製したいろいろな種類の透明骨格標本を比較して観察しました。


完成した透明骨格標本(金魚)

 この講座を受講した生徒は、いろいろな脊椎動物の骨格について、体系的な知識を持つことができました。それは、教養や知見を広げるとともに生物学の学習意欲と生命科学分野への進学意識の向上につながると思います。