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SSH講座「PCRの原理と応用」を行いました。

  平成27年9月27日(日)にスーパーサイエンススクール(SSH)のSS生物ユニットの大学連携講座として「PCRの原理と応用」を埼玉大学大学院理工学研究科 准教授 坂田 一郎先生のご指導により埼玉大学理学部で実施しました。

   



  この講座の目的は、アルコール脱水素酵素の遺伝子型を
PCR法で推定し、その原理の理解により、分子生物学の基礎を体験的に学習することです。



  最初に
各自のエタノール分解酵素の活性の表現型をアルコールパッチテストにより確認しました。


皮膚にアルコールを含ませた脱脂綿を貼り付け、10分後、皮膚が赤くなるか否かを確認する。
  
  次に口腔粘膜上皮細胞からDNAを抽出し、正常型(野生型)と点突然変異(SNP:一塩基多型)を持つ変異型に対してアニーリング(会合)する性質の異なる2種類のRv primerを用いるAlleleSpecific PCR法(アレル特異的増幅法)でDNAを増幅しました。


口腔粘膜上皮細胞を含むだ液をマイクロチューブに取る。


フェノールとクロロホルムを加え、攪拌、遠心した後、DNAを含む上層の水層を取る。酢酸ナトリウムで塩析し、DNAをエタノール沈殿させ、洗浄してDNAを抽出する。


抽出したDNA溶液にDNA合成酵素(Taq polymerase)とプライマー、dNTP等を加え、サーマルサイクラーでPCR反応を行う。

  複製されたDNA断片を電気泳動で分子量順に移動させ、蛍光物質で発色させ写真を撮影しました。


PCR産物に色素液を加える。


色素液を加えたPCR産物をアガロースゲルのウェルに入れる。


 電気泳動でDNA断片をヌクレオチドの長さによって分離する。

  最後にDNA断片の有無からアルコール代謝に関連する酵素(アルデヒド脱水素酵素2Aldehyde dehydrogenase 2, ALDH2, EC 1.2.1.10))の遺伝子型を推定しました。また、表現型との整合性も検討しました。


トランスイルミネーターでゲルに紫外線を照射して写真を撮り、バンド(帯)の有無から遺伝子型を推定する。

  実験をとおしてマイクロピペットの扱い方や遠心分離、電気泳動などの分子生物学実験の基本的な操作方法を体験的に学ぶとともに、分かりやすい講義でPCR反応や電気泳動の原理などバイオテクノロジーの基礎を楽しく理解することができました。また、研究室の見学をさせて頂き、研究の現場とその雰囲気を知ることができました。

 

 

 この講座に参加した生徒は、生命のしくみに対する興味と将来の夢を抱いたようでした。