校長日誌

5月21日(火)進取の気風No.42 「私にとっての物理」

 晴れ後曇り29度。中間考査二日目です。今日で4日間の半分が過ぎました。これからが体力勝負です。今週は気温が上がる見込みです。体調管理には十分気を付けてください。

 さて、昨日は、偉そうに定期考査の目標は「平均点+20点」を目標にしていたと書きました。恥を忍んで不動岡生の皆さんに告白しましょう。私が高校2年生になると物理Ⅰの授業が始まりました。確か当時は2年生までは文系・理系に分かれず、全員が同じ教育課程で全ての教科を学習していました。物理の教科担当はN先生で、昔のさだまさしさんのようにスラっとした長髪で、サングラスほどではないですが色付きの眼鏡をかけ、語り口も優しい感じの先生でした。ところが、見た目とは裏腹に、最初の授業でいきなり「物理がわかるようになるためには微分積分がわからないとダメなので今日からまず微分積分を教えます。」と数学の授業を始めたのでした。数学Ⅰを履修したばかりで、「微分の事はびぶん(自分)でやれ!」なんて冗談がまかり通っていた時代でしたが、とにかく面喰いました。そして、何時間目か経った頃、あまりのスピードにさすがについていけなくなりました。一通り、微分積分を教えた後で、物理の教科書に入り、1学期中間考査を迎えました。授業についていけなかったのですから考査一週間前の追い込みも十分に機能するはずがありません。

 確かに平均点は低かったですが、返却された答案は何と「8点」!100点満点中8点!!生まれて初めて取った一桁の点数でした。当時は親にテストの点数を見せることなんてしていませんでしたが、さすがにこれはまずいと思い、帰り道に今はなくなってしまいましたが、よく行っていた「青年書房」という本屋さんに駆け込み、物理の参考書と問題集を買いました。結果的には期末考査で何とか挽回し、最悪の事態は免れましたが、それ以降、物理を好きになることはありませんでした。3年生では国立文系クラスでしたのでN先生との関わりはなくなりましたが、高校卒業後に理工系の大学に進んだ友人や先輩が高校時代に習ったN先生の授業は大学に行ってからものすごく役立ったとよく言っていました。結局、物理の良さは全く分かりませんでしたが、工業高校の校長になった時、機械科・電気科の教科書では物理の内容を扱っており、その教科書を見て唖然としたことを覚えています。工業高校生はこんな難しい教科書を勉強するのか(教科担当の先生にとっては簡単らしい)、物理の知識が機械・建築・電気の分野でこれほどまでに必要なのか(単なる計算問題ではなく日常生活にある工業分野)。1年生で習う「工業数理基礎」では、交通手段である自動車・電車・自転車のなどの具体的な事例を取り上げて、ベクトル・直線運動・円運動・動力とトルクなどの事象を学んだり、水流についてはパスカルの法則・ベルヌーイの法則、電機ではキルヒホッフの法則、建築物や橋などでは力のモニュメントなどを学んだりします。当時、仕事でよく行っていた日本工業大学では理工系の研究についても教えてもらったりしました。高校時代にこんな世界を知っていたら人生が変わったかもしれないと思いました。今からでも遅くはないと工業系に行った同期が冗談交じりに言うのですが、物理で8点を取ったコンプレックスとトラウマがその一歩を踏み出させてはくれないのですよ。

 最後に、皆さんにお知らせです。不動岡高校のHPがリニューアルします。公式インスタも始めます。乞うご期待!!それから、私は明日22日(水)から24日(金)まで出張となりますので、校長日誌をお休みするかも知れません。それほどまでには期待されていないのはよくわかっているのですが、念のためです。