校長日誌

不動岡高校 校長日誌2024「進取の気風」

 4月30日(火)No.25 進取の気風「生成AI考」

 曇り最高気温24度。GW前半が終了し、この3日間は通常授業です。この連休中に各部活動の大会がありました。全ての大会等に応援しに行くことはできませんが、日ごろの成果を遺憾なく発揮し最善を尽くしてくれていることと思います。

 今日の読売新聞朝刊1面に「生成AI考 第2部悩める現場1⃣」という記事がありました。卒業論文や感想文など生成AIを不正利用した例は今までにも報告されていましたが、日常生活に生成AIの利用が急速に拡大している現在ではこの問題を解決することは難しい。私は、教育の分野にも生成AIを取り入れていく必要はあると思っています。教材研究も生成AIをうまく活用すれば効率的ですし、生成AIから得られる視点により議論が深まることもあるからです。しかし、学校現場を預かる者として留意しなければならないことがあります。記事の中で東京大学の酒井邦嘉教授(言語脳科学)が次のように述べています。「思考を深めるには、相手の意図を組みながら対話をし、自分の考えを揺さぶる必要がある。意図もなく文を合成するだけのAIで代用できるものではない。生成AIが本当に子供の思考力を育むのか学校は立ち止まって精査すべきだ。」正解をすぐに教えてくれる生成AIに頼り切りになると、思考力や想像力の低下につながる恐れがあります。私は、酒井教授が指摘する「思考を深めるには、相手の意図を組みながら対話をし、自分の考えを揺さぶる必要がある」という言葉に共感します。相手の言うことを気にしたり、忖度したりするという意味ではなく、相手の意見や主張をしっかり受け止め、自分の考えと比べながら、更に自分の考えを深めていくプロセスが思考力の育成につながっていくのだと思います。これは、まさに不動岡高校が長い年月をかけて作り上げてきた探究活動の柱となっているものであり、今、3年生がやっているリベラルアーツの授業の神髄であります。早く結果を出すことが優先される現代において、じっくりと思考する時間を作ることは大切なことです。生成AIに振り回されず、生成AIを有効に活用する側になるために私たちはどうするべきでしょうか。不動岡生も一緒に考えていきましょう。

4月27日(土)28日(日)進取の気風No.24「負けた時こそ」

 4月27日(土)曇り最高気温23度。土曜日授業でした。朝方は少し雨が降りました。1時間目はLHRで学校祭関係をやっており、上の階から盛り上がる声が聞こえてきました。2限目からは授業で、本日も中学生の親子で見学にいらっしゃいました。午後からはPTA・後援会新旧役員会でした。主に5月11日(土)に行われるPTA総会の打ち合わせでしたが、規約の改定など細かく確認しました。ご多用の中、役員の皆様、ありがとうございました。

 

 4月28日(日)晴れ最高気温28度。今日はバスケットボール東部地区予選の会場校です。8時前に学校に着きましたが、バスケ部員が駐車場係で東門を入ろうとした時に声をかけられました。「すみません。関係者の方ですか?」やはりそうきましたか。あえてすぐには返答せずに「おはよう」と挨拶すると、「あ、先生だ!」4週間経ってようやく認識されるようになってきたようで安心しました。

 体育館のステージに行くと、バスケットボール部OBOG会の若林会長がはるばる熊谷から試合を観戦に来ていました。その後、2つ下の後輩で埼玉大学女子バスケットボール監督の松本教授も試合を見に来ました。目的は応援でしたが、昔話に花を咲かせてしまいました。

 第1試合は、男子で対戦相手は東部地区優先2位の越谷西高校。不動岡らしい攻撃もありましたが、相手のゴール下を抑えられず力負けしてしまいました。第2試合は女子で東部地区優先6位の春日部女子高校でした。第3ピリオドで逆転しましたが、第4ピリオドの10分間うまく流れをつかめず逆転負けを喫しました。

 この後、急いで野球部の応援に上尾に行きました。開始時間は11時30分なので途中からの応援です。対戦相手は川越西高校。これに勝つと初の県シード獲得です。駐車場に到着すると不動岡高校の校歌の声。コールド勝ちで試合に間に合わなかったかと思いましたが、7回のエールの交換でした。応援部、チアリーダー部、野球部OB、保護者、先生方…大勢で暑い日差しの中応援しました。応援部も暑い中よく頑張って声を張り上げていました。しかしながら、前半のリードも空しく残念ながら逆転を許し負けてしまいました。

 勝負には「たら」「れば」はありません。あの時、シュートを決めていれば…、あの時、三振に抑えていたら…。勝ったならば、勝ったなりの理由が、負けたなら負けたらなりの理由があります。しかし、それは誰かのせいではなく、責任を追及しても無意味なことです。不動岡生ならば、負け試合から何を学び、明日からどうすべきかを考え、みんなで前を向いて諦めず進むことの重要性を知っているはずです。「嬉しい」の反意語は「悲しい」ではなくて「悔しい」だと思います。特に勝負事はです。「悔しい」気持ちをばねに次を頑張って欲しいと思います。不動岡高校の名を冠したユニフォームを着て真剣勝負ができるのは今しかありません。下を向いている時間はないですよ。

4月26日(金)進取の気風No.23「統計データ」

 晴れ最高気温27度。日中は暑くなりました。今日は午後から前任校である岩槻高校の離任式に参加しました。離れてひと月も経っていないのに、最近まで一緒に仕事をしていた教職員や生徒たちに会うのが照れくさく感じるとともに何だかとても懐かしい気分になりました。それは、私がこの1か月で不動岡高校の人間になったからでしょう。岩槻高校はたった2年しかいませんでしたが、私のやれることは全力でやり切ったと言える高校でした。体育館では3年生たちが私の挨拶に反応してくれて嬉しかったです。安心です。もう思い残すことはありません。

 さて、皆さんは総務省統計局が作ったe-Statという政府統計の総合窓口と称するポータルサイトを知っているでしょうか?www.e-stat.go.jpを入力するかe-Statで検索すると出てきます。各府省が公表する統計データを一元的に、さまざまな形で提供しているサイトです。国や民間企業等が提供している主要なデータをグラフで提供したり、地域のボタンをクリックすると統計のランキングデータが簡単に示せたり、各種統計データを地図上に表示して視覚的に統計を把握できる地理情報システムがあったり、とにかくあらゆる統計情報を入手することができます。

 統計データをいかに分析し、いかに活用するかを学ぶことは、文系・理系を問わず大変重要となってきます。不動岡生はFACTFULNESS(ファクトフルネス)という本を読んだことがありますか?「10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」という副題がついています。メディアセンターにありますから手に取ってぜひ見てみてください。私たちがいかに事実を知らないか気づかされます。この本は世界的視野で書かれていますが、まずは日本や自分が住んでいる地域のことから調べてみるのも良いでしょう。統計データを活用すると見えなかったことが見えてきます。そのためにはどのようにデータを活用するのかを知ることが大切です。「なるほど統計学」のサイトにアクセスすると統計を読み解く上で必要な幅広い知識を知ることができます。高校生向けの上級編もありますのでやってみると将来役立つことも多いと思います。だまされたと思って時間があったらアクセスしてみてください。ゲームをやるよりずっと楽しいですよ。興味ある人、ではなく不動岡生は全員一度はアクセスして欲しいサイトです。

4月25日(木)進取の気風No.22「小論文に挑戦」

 晴れ最高気温28度。昨日と打って変わって暑い一日。廊下を歩いているとジャージ姿に着替えた女子生徒が「おはようございます」と挨拶してくれました。ニコッと微笑みながら挨拶してくれたので思わず「おはようございます。良い笑顔ですね。」と挨拶を返しました。その女子生徒は満面の笑みを浮かべて「ありがとうございます!」と言って去っていきました。ほんの一瞬の出来事でしたが、さりげない挨拶で気持ちの良い朝を迎えることができました。爽やかな天気に爽やかな笑顔。すがすがしい一日です。体育祭の応援合戦練習に気合が入っているのか楽しそうな声が聞こえてきました。

 今日の6時間目は先週の続きで3年生のリベラルアーツの探究授業でした。前回は「グローバル人材は本当に必要か」という文を読んで、グループワークで意見交換、グループごとの発表でしたが、今回は一人一人が自分の考えをまとめて400字以内の小論文にするという内容でした。考えたことを文章にすることは思いの外難しいものです。私も挑戦して、全く違う考えの小論文(感想?)を2つ作ってみました。3年生の皆さん、遠慮なく評価して意見を聞かせてください。

(その1)

 資料の「産学官によるグローバル人材の育成のための戦略」にある「産」「学」「官」の思惑を読み取る必要がある。産業界からすれば、日本企業は世界の企業相手に対応できる優れた人材が必要であろうし、教育界からすれば、そのためにも英語を始めとする語学力やコミュニケ-ション能力の育成が急務であろう。政府からすれば近年、中国、インド、韓国の海外、特にアメリカへの留学生が増加しているのに対し、日本人留学者が減少し続けている現状に懸念を抱いているはずだ。このままでは日本が国際社会で遅れをとることは明確であり、「人材」という言葉が使われることも国と産業界からの意向であれば納得はできる。

 以上のことから、日本が世界で生き残るためにもグローバルな視点や考えを持ち、世界で活躍できる日本人を育成することは必要だと考える。ただし、グローバル人材の育成が一部のエリート教育につながらないようにすべきである。(390字)

(その2)

 私は、資料の「産学官によるグローバル人材の育成のための戦略」に違和感がある。なぜなら、産業界と政府が文部科学省に提言している構図にしか思えないからだ。「人材」という言葉は、日本の企業や国のために役立つためのもの、「育成」という言葉は産業界と政府が求める人材を学校で「製造」するという意味に感じてしまう。著者が例に挙げた中村修二や南部洋一郎は、日本のため、日本の産業界のためにノーベル賞を獲ったわけではなく、グローバル人材になるよう教育されたわけでもないはずだ。我々が他国の言語や文化、歴史、世界の経済や国際関係等を学ぶことは重要であり、グローバルな視点や考えを持ち行動できる日本人に育てることが、本来、教育の役割であると思う。グローバル人材とは育成されるものではなく、結果としてグローバル人材だと評価されるものであって、そもそも必要とか不要とかという範疇にはないと考える。(386字)

4月24日(水)進取の気風No.21「大谷語録」

 雨16度。朝から雨で肌寒い一日でした。今日は朝から出張で浦和高校に行って来ました。正門から入るとちょうど体育の授業中で、雨の中ですが校内を懸命に走っていました。浦和高校は体育祭も含めて全ての行事を雨天でも決行することが伝統ですので、このくらいの雨は大したことはないのでしょう。走りながら、息を切らせながら、「こんにちは!」と挨拶する浦高生にも感心しました。不動岡高校は、今日は水曜日なので7時間授業。こちらも天候に左右されることなく不動岡生は黙々と授業・部活動・学校祭の準備に勤しんでいます。

 さて、4月21日(日本時間22日)ドジャースタジアムにてドジャースの大谷翔平選手がメジャー通算176号ホームランで松井秀樹選手を抜いて日本人メジャーリーガーの最多記録を更新しました。世界で活躍する一流の選手の考え方や行いには感銘することが多く、大谷語録も度々ニュースになっていますが、今回、あるウェブニュースに掲載された記事に目が留まりました。それは高校時代の大谷選手(当時18歳)の寮生活を取材した時の記事を抜粋したものでした。大谷選手の部屋には彼の目標としている選手、憧れている選手の写真が飾られており、毎日見て目標にしていたそうです。もちろん、その写真の中には松井選手のものもありました。ただ、写真だけではなく、壁に貼られた紙に書いてある言葉が一流なのです。

 「真剣だと知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。いい加減だと言い訳ばかり。」

 こんな言葉を18歳の高校生が発するのかと衝撃を受けました。この言葉を不動岡生に勉強と結び付けて言うつもりは毛頭ありません。社会人である私にも深く心に刺さる言葉なのです。校長としての自分を振り返った時に、ついつい愚痴を言いたくなる場面もあったり、出来ないことの言い訳を先に考えることもあったりしましたが、そんな時に果たして目の前にある状況に真剣に向き合ったのか、知恵が出るほど真剣に考えたのかと反省させられました。不動岡生の皆さんはこの言葉が自分に向けてのものだとしたらどう思いますか?ちょっと考えてみるのも良いと思います。

4月23日(火)進取の気風No.20「受験記」

 曇り最高気温19度。随分早い時期に進路指導部の担当教員が受験記の巻頭言を書いて欲しいと過去の受験記を持って校長室にやってきました。ゴールデンウィーク明けまでにお願いしたいとのこと。高校時代の私は浪人したので残念ながら書く側にはなりませんでしたが、かなり昔から受験記を発行していて、それが現在までしっかりと続いているというのはちょっとした驚きでした。校長室には2012年度からのバックナンバーが置いてあったので手に取って見てみると、歴代校長は3ページ近く巻頭言を書いています。しかも在任期間中、毎年度内容を変えています。3年生だけではなく、全学年に配布されるものなので去年の使いまわしという訳にはいかないところが辛いところです。校長の巻頭言なんて読み飛ばされるに決まっていると思いながらも執筆を始めたら、意外と一気に書いてしまいました。書き終わってから、また歴代校長の巻頭言を読んでみると、驚いたことに結構同じようなことを書いていました。具体的な受験勉強の方法は合格した卒業生に任せるとして、校長に共通しているのは、現役生に対する「エール」です。ただ、エールの仕方が校長により違う、というか個性があるのであって、これから受験する3年生への熱い想いは一緒です。私の想いは実際に「受験記」を手にするまで秘密ということにしておきましょう。

4月22日(月)進取の気風No.19「解のない問い」

 小雨後曇り最高気温18度。本日は月曜日。7限目まである一日。さて、不動岡生にとって週初めは憂鬱なものなのでしょうか?土日が大会などで忙しくて宿題や予習に十分時間が取れず、朝起きても気分が乗らない人もいたかも知れません。もしそうだとしても、本来、宿題や予習はやること自体が目的ではなく、授業でより深く理解するためのものだから、今まで以上に50分間集中して積極的に授業を受ければ良いのです。そもそも宿題が終わらせるためだけの「作業」になってしまっては意味がありません。

 ところで、ここ数年、「解のない問い」という言葉がよく使われます。Society5.0の時代を迎え、変化が激しく、今までに考えたこともない先の読めない時代を生きていくためには、唯一の正解がない問題に向き合い、最善策を選び出していく力が求められていると言われています。常に「正解」を求めて知識中心に勉強してきた日本人にとっては大転換です。不動岡高校では、探究活動を重視して教育課程に位置づけていますが、大学入試に必要な学力とともにどのように育成するべきかまだ試行錯誤が続いています。

 ふと、何年か前に読んだ「人生を面白くする本物の教養(出口治明、2015年 幻冬舎新書)」の一節を思い出しました。ロンドン在住の出口氏の友人が現地の学校に通っていた12歳の娘さんから宿題の相談をされたそうです。その宿題とは「中世に、サセックス地方の裕福な農家へ嫁いだ女性が書いた日記があった。その農村を仕切っていた地主の執事が書いた記録もあった。それから、19世紀にその時代の農村を調べたオックスフォード大学の教授が書いた『サセックス地方の中世の農家の形態』という論文もあった。この3つを読むにあたって、どういう点に注意すればよいか。」というものでした。その友人はあまりの難しさに内心引っくり返ってしまったそうです。不動岡生の皆さんはどう考えますか?こういう時は問題文をよく読んで、問題作成者の意図をよく考えることです。とはいえ、私も全くわかりませんでした。

 苦し紛れに娘さんに「おまえはどう考えているんだ?」と聞いたところ、娘さんは「嫁いだ女性が書いたことには嘘がないと思う。村で起こったことがありのままに書かれているだろう。でも、自動車も電話もない時代だから、自分の目で見える狭い範囲のことに留まっていると思う。地主の執事が書いた記録は、おそらくより多くの年貢を取りたいという気持ちが働いているだろうから、作物の収穫量などを加減して書いている可能性がある。それを含んで読まねばならないと思う。それからオックスフォード大学の教授の論文は客観的なように見えても、どこかで自分の学説に都合のいいように脚色されている恐れがある。だから頭から信じないようにした方がいいと思う。このように答えようかと思っているんだけれど、お父さん、どうかな?」と言ったそうです。いやぁ、イギリスの教育は恐るべしですね。出口氏の友人が目を丸くしている姿が思い浮かべられます。書いてあることを「ふむふむ」と素直に受け入れて疑問に思わない、そして、大学入試に関係すると思えば懸命に暗記するという勉強法に慣れた日本人にはなかなかできない発想だと思います。この後、娘さんの先生は授業で「正解」を言うのでしょうか?おそらく唯一の正解はないと言うでしょう。他の考え方があるかも知れません。根拠や理由を明示して自分の考えを持つ、それを論理的に説明する…、探究活動だけではなく普段の授業の中でもうまく取り入れたいですね。

4月20日(土)進取の気風No18.「応援」

 曇り時々晴れ最高気温26度。今日は不動岡高校が女子バレーボール東部地区大会の会場校となりました。先日、女子バレーボール部の部長と副部長が校長室まで組み合わせ表を持って来てくれました。これは「ぜひ応援に来てください」という無言のお願いだと思い、早い時間から不動岡高校に向かいました。東門から駐車場に車を停めると駐車場係をしていた不動岡高校の部員が駆け寄って来て「すみませんが、関係者の方ですか?」と尋ねてきました。係としての責任ある行動に感心しましたが、保護者か一般人に間違われてしまったのだとすぐにわかりました。「あの-、不動岡高校の校長です。」「あ、ほんとだ。す、すみません。」「バレー部の応援にと思って…。」「あ、どうぞ…。」「ちなみに名前は憶えていますか?」「す、すみません…。」いいんです。気にしてません。まだ3週間ですから。

 試合までに時間があったので校長室で仕事をしていると、隣りの応接室で野球部OB会があるということでOB会会長からご挨拶をいただき、夏の大会の応援で使えるようにとオリジナルタオルをくださいました。その後、同級生で野球部だったN君が校長室に来てくれました。

 女子バレー部の対戦相手は松伏高校でした。人数が少なかった女子バレー部は1年生の加入により大会に出場できました。前日にエースが足首を捻挫するというハプニングがありましたが、怪我を押して試合に出場しました。本校の教員も応援に駆け付け、「質実剛健」の女子バレー部の応援旗のもと保護者の方々とともに応援しました。残念ながら敗退してしまいましたが、何度もナイスプレーがあり、劣勢時の修正能力の高さも伺えました。このチームはまだまだこれからです。「文武両道」を貫いてください。どの部活動も応援しています!

 中庭の階段下ではB団とC団が団旗の作成を始めていました。

4月19日(金)進取の気風No.17「強風の中」

 晴れ最高気温21度。一日中、強い北風が吹いていました。そんな中でも8時には生徒たちがジャージに着替え体育祭の練習をしています。今日はいよいよ3年生たちによる後輩たちへのダンス指導が始まりました。後輩たちにとって強風にめげない3年生の先輩たちが頼もしく思えたことでしょう。

 中庭の階段下にブルーシートを張り、そこで各団旗の作成が始まっていたのですが、強風によってブルーシートの一部が飛ばされていました。放課後は修復作業を終え、これから本格的に絵柄を入れていくことになります。今年の体育祭ではどんな団旗が披露されるでしょう。今から楽しみです。

 この団旗作成も不動岡高校の伝統の一つです。私の頃は、教室いっぱいに広げても足りないくらいの大きさの団旗でした。元となる写真やポスターに方眼紙のようにマス目を作り、大きな白い布に墨つぼ等を使って同じ数のマス目を書きます。1つ1つのマス目に元の写真やポスターの同じ位置のマス目を拡大して書き込んでいくと全体が出来上がります。3年の時はクラスに美術部の部長と副部長がいて、私たちの団旗は当時NHK朝の連続ドラマ「おしん」の主役を務めていた女優田中裕子さんの絵柄でした。その出来栄えは実に見事なもので、作成した団旗は朝のNHKニュースで取り上げられました。美術部の部長だった級友は、クラス全員が作成に関われるようにと部活動でなかなか協力できなかった者にも、「最後のこの部分はこのペンキで塗って」と手伝わせてくれました。体育祭当日は強風のため長い竹竿で掲げた団旗がまるで帆船の帆のようにパンパンに張って危険なので、泣く泣くナイフで切れ込みを入れて風を通しやすくし、難を逃れました。強風の中、ふとそんなことを思い出しました。

4月18日(木)進取の気風No.16「リベラルアーツ」

 曇り後雨最高気温20度。今日は5時間目の時間に3年生のリベラルアーツの授業がありました。これは新教育課程になってから不動岡高校が学校設定教科にして取り入れた探究活動であり、正解のない問いに果敢に挑戦し、協力して解決に向けて取り組む姿勢を育むことを目的としています。大学入試に関係ないように思えるでしょうが、思考力を鍛え、根拠を持って自分の意見を持ち、自分の考えを理路整然とまとめて伝える力は、いわゆる難関大学の入試問題を解く上で必要な力です。テキストとして東京大学出版会「大人になるためのリベラルアーツ 思考演習12題(石井洋二郎著 藤垣裕子著)」を使っています。教員も試行錯誤しながら、このリベラルアーツを深めていくことになります。

 本日の問いは「グローバル人材は本当に必要か」でした。問題提起の文章を各自が読み、論点を整理する。それをグループワークで討論、発表するものでした。私などは、そもそも「グローバル人材は本当に必要か」と問いを立てること自体が不思議だと感じました。グローバル人材が必要なのは当たり前ではないかと思っていたからです。しかし、問題提起の文章の中で著者は「グローバル人材」の定義、更には「人材」という言葉の妥当性から深く掘り下げ、普段は気にも留めなかった事柄を「思考」する題材に変えています。critical thinkingと言えるもので、何も考えず受け入れるのではなく、批判的な見方を加えることで見えなかった視点から物事を捉え直すことを狙っているのでしょう。生徒たちは他の意見を聞くことで自分にはなかった視点に気づき、更に自分の考えを深めるという経験をすることができたと思います。しかし、それだけではこのリベラルアールは終わらないと思います。モヤモヤした自分の考えをクリアにし、それを文章にまとめることの難しさを来週味わうことになるでしょう。また、何でも教えたくなってしまう。自分の意見を披露してしまいたくなってしまう教員にとってはコーディネーターに徹する難しさを感じたことでしょう。生徒にも教員にも学びのある取組だと思っています。