校長日誌

不動岡高校 校長日誌2024「進取の気風」

5月11日(土)進取の気風No.35「PTA」

 晴れ最高気温28度。今日も清々しい天気です。電車で加須に向かう途中、ちょうど鷲宮駅から花咲駅の間、田園風景の中を通過します。GW中に田植えが済み、田んぼの水面に青空が映っていました。昔はもっと田んぼが広がっていましたが荒れ地が目立つようになってきました。跡継ぎがだんだんと減ってきてしまったのでしょう。

 本日は1時間目が学校祭(体育祭)の結団式、2時間目が第1学年保護者会、3時間目が第2学年保護者会、4時間目が第3学年保護者会、そして午後からPTA・後援会総会でした。結団式はA団からI団まで決められた場所に集合し、団長を中心に士気を高め、団全体で応援合戦などの練習をします。限られた時間の中で計画的に準備を進めることも大切な学びです。各団とも1年生から3年生までの3クラス分の人数を束ねて全体を指揮することは大変なことですが、これは3年生に課された使命です。この3年生の姿は後輩たちの代になった時に生かされるでしょう。本番が楽しみですね。2限目以降は授業ですが、同時進行でFホールにて学年保護者会を開催しました。多くの保護者に参加していただき感謝いたします。ただ、大変残念なことに一部の保護者様が近隣のスーパーマーケットの駐車場に車を停め、店舗並びに地元のお客様に大変な御迷惑をかけてしまいました。校長としてすぐに謝罪に行きましたが、直ちに保護者会中、授業中であっても放送を入れて速やかに車の移動をお願いしたいと強く要望されました。急遽、一斉送信メールを送りお知らせしましたが、今回の件により保護者会の開催方法や来月行われる文化祭の公開方法も再検討しないといけない事態になるかも知れません。店長のお話では、売り上げの問題ではなく、昼時前に買い物にいらっしゃった常連客や地元のお年寄りの方が遠くの駐車場にしか車を停められず、暑い中、それに足腰も弱い方もいらっしゃるのに歩いて来なければならないことが大きな問題だということでした。おっしゃるとおりだと思います。駅から遠い高校に共通する問題ですが、校内に駐車スペースを十分確保することができない以上は保護者様のモラルに訴えるしかありません。大変申し訳ありませんが、御理解ください。

 さて、最近、巷では何かと話題になっているPTA活動ですが、本校の保護者の方々は非常に協力的なので常日頃から大変ありがたく感じております。生徒はもちろんですが、保護者からも信頼され、不動岡愛を持っていただけるよう努めてまいりたいと思います。その意味では、保護者の皆様は不動岡高校の「ファン」ではなく「サポーター」だと思っています。サッカーのサポーターは自分自身を12番目の選手だと自負しており、だらしないプレーがあったり情けない負け方をしたりした時には叱咤してくれます。頑張った時には激励してくれます。保護者の皆様とはそんな関係でありたいと思っています。今回の総会では、PTA組織、業務の改定案が協議されました。具体的にはPTA支部単位の活動を廃止し、PTA支部組織を解散するというものでした。今まで第1支部から第9支部までありましたが、生徒募集が全県一区になってから不動岡高校に在籍する生徒の居住地も広範囲になり、長く続いたコロナ禍で引継ぎ等も難しく支部役員の方々の負担も大きくなっておりました。直接、ざっくばらんに教員と話す機会があるというメリットはありますが、これも時代の流れだと思っています。長い間、支部組織を運営してくださった役員の皆様に改めて御礼申し上げます。そして、本日、木村慎一PTA会長が就任し、昨年度PTA会長でした鹿児島徹氏が後援会会長となりました。木村新PTA会長も本校の卒業生で高校時代は野球部に所属していた方です。新たなPTA組織の運営にお力をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

 

5月10日(金)進取の気風No.34 「文理融合」

 晴れ最高気温26度。久しぶりの爽やかな朝です。早朝の団ダンス練習にも勢いがあります。

 昨日の3年生のリベラルアーツのテーマは「コピペは不正か」というテーマでした。「不正の例を挙げ、引用の意味を考える」「理系のコピペと文系のコピペはどこが違うのか考える」ということが論点となり、これから大学・大学院で学ぶ不動岡生が話し合いながら考えることが目的なのでしょうが、本格的な論文を書いたことがない高校生にとっては難しいテーマだったかも知れません。しかしながら、生成AIを使って論文を作成することができる現在、今のうちにこのテーマについて学んでおくことは有益なことです。No.16で示した東京大学出版会「大人になるためのリベラルアーツ 思考演習12題(石井洋二郎著 藤垣裕子著)」の問題提起に書いてあるポイントは以下のとおりです。「学術における画像のコピペは研究者共同体内での研究遂行の誠実さと信頼に対する不正である」「しかしながら、コピペは手間を省き、心理的および倫理的障壁の低下も生んでいる」「学術では「差異」を強調するオリジナリティが重要であり、その「差異」の協調のために他人の論文を「引用」の形で示さなければならない」「それは自分の論文の主張の根拠づけ、説得のための「資源」である」「引用は「資源」であると同時に自分の論拠の立ち位置を示す「コンパス」でもある」「理系ではデータの再現可能性が肝要であり、プロセスを記述すること、後続の人がもう1回やってみて追認できることが大事である」「理系の論文は「新しい事実」を実証するためにかかれているのに対し、文系の論文は「新しい解釈」を提示するために書かれる」「理系論文は「ほかの誰がやっても同じ結果に到達できる」、文系論文は「他の誰がやっても同じ結果には到達できない」」ざっとこんな感じです。

 私自身、思い返すと、卒業論文を作成している際に担当教授と何度か途中経過の口頭試問があり、未完成の論文を見てもらう機会がありました。その時に、教授から「この表現は引用しましたね。ちゃんと引用をつけてください。」と簡単に見抜かれてしまいました。ほんの1,2行なので大丈夫かと思っていましたが、浅はかな行為でした。当時はインターネットが普及していなかったので参考文献を取り寄せて読み、自分の論文テーマの根拠となり得る個所をメモしながら仕立てていくので今のように簡単にコピペすることはできませんでしたが、論文全体の表現からするとその部分だけ「浮いて」いたのでしょう。また、単なる「まとめ」や「感想」では論文にならず、「オリジナリティ」をいかに強調するかが重要という点において、テキストを読んでみて今では書くこともない論文について改めて考えさせられました。

 そして、今回のリベラルアーツの探究授業で素晴らしいと感動したことがあります。3学年主任から「生徒から文系と理系の両方の意見を聞きたいからクラス単位ではなく、文系クラスと理系クラスを混ぜて欲しいと要望がありました。」と報告がありました。これは、生徒自身がこのリベラルアーツを自分事として捉え、積極的に学ぼうという意思の表れだと思います。論文自体を書いたことのない高校生にとって、具体的に話し合うことは難しいと思いましたが、文系クラスの生徒と理系クラスの生徒では観点が異なり、お互いの意見を聞くことによってより考えが深まったようです。日本は明治以降、海外の知識・技能を効率的に学べるように文科系と理科系に分け教育を進めてきましたが、海外では自然科学、人文科学、社会科学の3つの学問分野に大別されるのが一般的です。近年、文理融合が日本でも叫ばれるようになってから、従来の学部学科を学際系で編成する大学も出てきました。高校でも文理の枠組みを超えた教育活動である「教科横断的な学び」を取り入れ始めています。その一つが探究活動です。今回、3年生自らの意思でクラス混合で話し合いたいと要望があったということは不動岡高校の探究活動が新たなステージに向かっている証拠だと感じました。今後が楽しみです。

5月9日(木)進取の気風No.33「楽しいひと時」

 曇り後晴れ最高気温18度。不動岡生が机に向かっている最中に大変申し訳なかったのですが、昨日は18時30分からパストラルかぞ大ホールで行われたスターダスト・レビューのコンサートに行って来ました。FMわたらせ開局1周年記念スターダスト☆レビューツアー「ブギウギワンダー☆レビュー」ア・カペラ&アコースティック編と題されたコンサートです。スターダスト・レビューはおよそ2,500回もライブやコンサートをやってきたというベテランのバンドです。加須市役所にお勤めの同級生がこのイベントに関係していてチケットを予約してくれました。隣りの座席には同級生のM君がいました。彼は高校時代に音楽部で、バンドでオフコースの楽曲などをそれは上手に歌っていました。コンサート中は私語厳禁ですが、同窓会を企画しましょうということになりました。

 スターダスト・レビューのボーカルである根本要さんは、皆さんもご存じのとおり不動岡高校の卒業生です。それからベースの柿沼清史さんも羽生出身の同級生です。根本さんは1957年生まれの行田市出身で、私より8歳年上の88回生です。私の1つ上の兄と同期なので驚きです。この代は棒高跳びでインターハイに出場したS先生もいらっしゃいます。根本さんの担任が剣道で有名な(怖い)Y先生と知ってまた驚きました。根本さんたちは高校入学後にバンドを結成し、熊谷市の八木橋百貨店地下にあったライブハウスで活躍されていたそうです。巧みな話術が有名でコンサートでは長くしゃべり過ぎることがばしばあり、昨日のコンサートでも実に愉快な話をしてくれました。特に、高校時代の話とゆかりのある加須の話には腹を抱えるほど笑いました。例えば、物理のS先生の音叉の実験での話や雨の日に二人で相合傘で登校した時の話。また、コンサート中にファンからのメールも紹介してくれました。中学時代にスタレビュの曲を聴いてファンになり、不動岡高校出身と聞いて自分も不動岡に行きたいと思い必死で勉強したという120回生の女性の話など。観客も不動岡高校卒業の年配の方が多く、コンサートが終わって出口に向かう間、隣に座っていたM君と剣道のY先生の話をしていたら、隣りから「何回生だい?」と声をかけられ、96回生ですと答えると「自分は市長と同じ87回生だよ。」と話してくれました。

 スターダスト・レビューが本格的に流行りだしたのは私が大学生を卒業した頃です。「夢伝説」という曲は後にJR高崎線行田駅の発車メロディにもなりました。「トワイライト・アヴェニュー」「今夜だけきっと」「木蓮の涙」など名曲も沢山あります。昨日のコンサートでは「今夜だけきっと」を観客全員と一緒に歌いました。以前、不動岡高校生に呼ばれてコンサートもやってくださったそうで、不動岡高校愛がいっぱいのバンドです。YouTubeで簡単に見られますので勉強の合間に是非聴いてみてください。

 不動岡生は今どんな曲を聴いて、好きな歌手やアーティストは誰なのでしょう。その時代によく聴いた曲を歳を取ってから聴くとその頃のことを思い出します。皆さんはまだ若いからよくわからないと思いますが、音楽とその時代は常に一緒です。ある時からテレビのドラマのバックミュージックで私の若い頃によく聞いた曲が流れるようになりました。おそらくプロデューサーたちが同じ年代の人たちなのでしょう。きっと皆同じ思いを持ってその頃のことを懐かしく思っていたに違いありません。そう言えば、高校時代にSonyのウォークマンというポータブルのカセットプレーヤーが売れました。イヤフォンをして好きな曲を聴きながら夜中に勉強していた人も多かったと聞いています。集中できるよと言われて私もやってみましたが、逆に集中できず、更にテスト中にわからない問題が出て焦りながら一生懸命に考えているとその時に聴いていた曲が頭の中でリピートし問題が解けなかったという苦い思い出があります。私には「ながら勉強」は向いていませんでした。今ではスマホがあれば簡単に好きな曲を選んで聞くことができます。不動岡生の皆さんは曲とどんな付き合い方をしているのでしょう。さすがにPVを見ながら勉強はできませんね。私たちの時代は今と比べればまだまだ不便な時代でしたから勉強に集中できたのかも知れません。今日は午後から晴れるようです。最近は天気が悪くて早朝の応援合戦(団ダンス)の練習が思うようにできません。各団はどんな曲で踊ってくれるのでしょうか。

5月8日(水)進取の気風No.32 「もう一つの学び」

 曇り後雨最高気温20度。本校にはPTAで活動しているサークルが2つあります。PTAフランス語サークルとPTA華道サークルです。両方とも月に2回のペースで活動をしています。フランス語サークルの活動目的は「本校の特別非常勤講師ナビラ先生にフランス語の文法や基礎を学び、シャンソンを歌うなどして会員の楽しい交流の場とする」、華道サークルの活動目的は「華道古流の講師、加庭陽子先生に現代華の基本型と応用の基礎を学び、生け花の鑑賞眼を育てる。また、会員の楽しい交流の場とする。」とあります。共通していることは「会員の楽しい交流の場とする」ということです。お子さんが不動岡高校に通っていたことが縁で未だにつながりを保ち、楽しみながら学んでいるというのは本当に素晴らしいことだと思います。学びの本来あるべき姿なのだと感じます。

 華道サークルでは、毎回、校長室に作品を飾ってくださいます。昨日は10年間もこの華道サークルに通っている唯一の男性会員の方が作品を飾ってくださいました。ソケイ(モクセイ科)、アルストロメリア(アルストロメリア科)、スターチス(イソマツ科)を使った作品(写真参照)です。私は花の名前すらわかりませんでしたが、色合いがとても良く調和が取れていると感じました。4つの胡蝶蘭とともに校長室を華やかにしてくれています。

 華道、茶道、柔道、剣道…「道」がつくものは実に奥が深いものです。武道は勝敗がつくので素人でもどちらが強いのかわかりますが、それでも剣道でお互いに構えている時に対戦相手が「隙がない」と感じる境地は未だにわかりません。「道」は先人が修行、鍛錬を重ねて技を磨き、基本となる「型」を作り、それが現在にも生きている世界、かの千利休が「利休道歌」で唱えた「守破離」の世界です。「守」は師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身に着ける段階、「破」は他の師や流派の教えについても学び、良いものは取り入れて変化させながら更に発展させる段階、「離」は属する流派から離れ、個性を発揮し、独自の新しいものを生み出し確立する段階です。せめて華道の基本を知っていれば、鑑賞する眼を持つことができるのでしょうが、まだまだ華道サークルの活動目的の域にまで達していないですね。美術でも音楽でも「知ること」「学ぶこと」により自分はできなくても鑑賞するという楽しみが増えるものです。それが「教養」というものなのでしょうが、人に深みを与え、人生をより楽しむことにつながるのだと思います。

 不動岡生は授業の予習・復習、定期考査の勉強、そして受験勉強と忙しく、部活動もあるのでなかなか他のことには手をつけられません。今はそうであっても社会人になってから学べることは沢山あります。不動岡生の先輩たちの中にも芸術の世界、創作の世界で名を残した方が数多くいらっしゃいます。折を見て(調べて)、皆さんに紹介するとしましょう。

 

 

5月7日(火)進取の気風No.31「文系にとっての数学」

 雨最高気温21度。ゴールデンウィークが終わりました。本日から授業が再開、今月には中間考査、その後学校祭があります。一気に忙しくなります。GW中、風が強かった昨日だけ特に予定はなくゆっくりと体を休めましたが、この間、ほとんど加須市内で過ごし、観光地を訪れたりすることはありませんでしたが、試合の応援や演奏会などでどこか遠くに行かなくてもとても充実したGWを過ごすことができました。目標にしていた本3冊読破は達成できませんでしたが。

 さて、私が高校時代の不動岡高校は3年生になると国立文系クラス、私立文系クラス、理系クラスに分かれ、理系クラスの中に男子クラスがありました。私は国立文系クラスで数学は「数学Ⅰ」「数学ⅡB」まで勉強しました。当時、共通一次試験で「数学Ⅰ」を使うので1年生で学ぶ「数学Ⅰ」は私文クラス以外は3年になっても勉強していましたが、「数学ⅡB」は国立文系の2次試験で使う大学と使わない大学に分かれます。「数学ⅡB」には「微分・積分」が含まれます。文系にとって、この微分・積分を制覇できるかが大学選びの大きな鍵でした。

 ところで、中学時代から学んでいる数学(もちろん小学校時代の算数からですが)ですが、高校時代に数と計算、因数分解と学んできて、教科書通りに進み、公式も暗記し、問題集や参考書をこなし、当時はそれなりに勉強したと思いますが、「なぜ、これを学ぶのだろう?」という疑問は常にありました。数学の先生は、今これにつまずいたらこの先どんどんわからなくなるぞ!と叱咤激励してくれるのですが、この先に一体何があるのか、今学んでいることが何につながっていくのかという視点が全くなく、ただひたすらに問題集を解いていました。

 社会人になっても「数学コンプレックス」を払しょくできず、制覇できなかった「微分・積分」の世界を味わいたいという気持ちがどこかにありました。ある時、「東大の先生!文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!(かんき出版)」を購入しました。東京大学教授の西成活裕先生が書いた著書です。中学・高校で挫折したオトナのための最速・最短(6日間!)でやり直しができる本です。中学数学の「3つのゴール」を目指すと3年間で習う単元がほぼすべて学び直せる!という見出しに心を動かされました。目から鱗の内容なので詳しく記したいところですが、2日目の章の冒頭に書いてあることをまとめてみます。数学は大きく「数や式」「グラフ」「図形」の分野に分けられ、最終的にこの3つの分野がわかれば大学の数学でどんな研究でも始められるそうです。その3つとはそれぞれ①数や式=代数(アルジェブラ)②グラフ=解析(アナリシス)③図形=幾何(ジオメトリー)で、数学のゴールはそれぞれ①二次方程式②微分・積分(中学は二次関数)③ベクトル(中学はピタゴラス(三平方)の定理、円周角、類似)です。西成教授は、微分・積分は人類が生み出した最高の知恵であり、高校の微積分でつまずいたのは、中学の「二次関数」を理解できていなかったからでしょうと書いています。二次関数や二次方程式を知らないと「微分積分」も「ベクトル」も途中で行き詰ってしまいます。更に、西成教授によると、数学が苦手な人は「数学の意味がわからない」さらに「何がゴールなのかわからないまま授業が淡々と進む」ことが、高ハードルになっているそうです。料理にたとえると、先に作るもの(例えば肉じゃが)を教えてもらえたら、作っていく行程にも見通しがつけやすい、ただ、「ジャガイモ、人参、玉ねぎを乱切りにして」「牛肉を炒めて」「水入れて煮込んで」とその行程だけを指示された通りにやっているだけでは「カレーを作っているのかな?」程度にしか感じません。味付けして初めて、これは肉じゃがだったのかということになりかねません。数学も料理もゴールから逆算するのがベストだと言っています。

 整理してみましょう。①数と式では、中学時代に学んだ「文字を用いた式の四則演算」「式の展開と因数分解」「連立方程式」「二次方程式」「平方根」が高校で「式と証明」や「複素数と方程式」へとつながり、②グラフ(関数)では、「一次関数」「二次関数」そして「微分・積分」「指数関数・対数関数」と続きます。③図形は中学の「円周角と中心角」「三平方の定理」「図形の相似」、高校の「三角比」「図形の性質」、これがグラフ(関数)と連動して「図形と方程式」「三角関数」へと発展し、「平面ベクトル」と「空間ベクトル」を学んでいきます。その他、資料の活用という分野で「確率」や「標本調査」「データの分析」「場合の数と確率」、そして「統計」へと続きます。不動岡生には数学は苦手だとか、文系だから数学は捨てるなどと言わずに「微分・積分」の世界を高校時代に味わってほしいと思います。ポイントは二次方程式と二次関数。中学時代の積み残しがあったら今のうちに復習してみてください。1年生諸君、今を頑張って乗り切ってください。明るい未来が待っています!もちろん、2,3年生も数学を諦めるのはまだまだ早いですよ!

5月5日(日)進取の気風No.30「いつか大舞台へ」

 晴れ最高気温30度。こどもの日。午前中はサッカー部の公式戦の応援のため栗橋北彩高校まで行って来ました。特別にベンチに入らせてもらいました。1回戦杉戸高校4-3、2回戦栗橋北彩高校に1-1延長1-0と勝ち進み、この庄和高校戦に勝てば県大会出場という大一番です。前半は0-0で折り返し、後半開始後すぐに相手の巧みなパスからのシュートで1点を取られてしまいました。ほんの一瞬のプレーでした。その後、何度かゴールまでボールを進めるも残念ながら試合は終了してしまいました。1点を返せず、悔しい敗退です。

 私はサッカーの戦略はわかりませんが、3人の顧問がボードを使いながら指示し、流れを変えるべく話し合って選手を交代しました。ベンチにいると臨場感と緊迫感があり、外で応援する雰囲気とは違った経験ができました。進学校として限られた練習時間でチームを仕上げ、選手たちも自分の役割を果たすべく一生懸命に頑張ったと思います。特に後半早々にビハインドとなり、次第に焦る気持ちが出てくる中、我慢して集中を切らさずにいました。しかしながら、容易にシュートを打たせてくれなかったということは相手の庄和高校が一枚上手だったと言わざるを得ません。私も女子バスケットボール部の顧問をしていたのでよくわかりますが、劣勢になった時はプレーしている仲間とベンチで応援している仲間が声を出して自分たちを鼓舞しないと流れが変わりません。顧問だけの力ではどうしようもないことが試合中に起こります。そんな時に、良い意味での「脳天気」で負けていても勝利を信じて元気に声を出す選手が1人いると緊張が和らぎ、勢いを取り戻すことがあります。チームにはとても貴重な存在です。サッカーに限らず、球技には必要です。我こそはとそんなチームメイトになってくれる選手が不動岡高校から出てくると良いと思います。

 午後は吹奏楽部の第54回定期演奏会に行って来ました。パストラル加須に行くのも久しぶりです。ご丁寧に特等席の来賓席に案内してくれました。午前の「動」に対し、午後は「静」です。本格派である吹奏楽部の楽曲にただただ酔いしれました。曲目が終わって拍手が起こる前のほんの一瞬の静寂は部員と観客が一体になった瞬間に感じます。OBOGが運営に携わり、えんじ色のジャケットに身を包んだ2,3年生、まだ制服の1年生が日頃の練習の成果を存分に発揮した定期演奏会でした。3部制でマーチングも披露し、ダンスも踊って観客を楽しませてくれました。この笑顔の陰にはどれほどの苦労があったのでしょう。パート別の練習も大変だったに違いありません。振付を覚えるのも一苦労だったでしょう。技術や技量は人それぞれ異なるでしょうし、吹奏楽に対する考え方や価値観も違うでしょう。これだけの大所帯ですから、おそらく人間関係も含めて順風満帆だった訳ではないはずです。「信心響伝」がテーマだそうです。自分と仲間を「信」じ、「心」に「響」く最高の音楽を奏で、想いを「伝」えようという意味が込められているとパンフレットに書いてありました。30人の3年生たちが先輩たちから受け継いできた伝統をしっかりと表現し、後輩たちに身をもってそれを伝えた演奏会でした。辛く大変だったことを全く顔に出さず、見事に笑顔で締めくくりました。今日一日、運動部と文化部に顔を出しましたが、不動岡生には大舞台に立ってもらいたい、晴れ舞台で活躍してもらいたいと強く思いました。日頃から支援し応援してくださっている保護者の皆様に厚く御礼申し上げます。

5月4日(土)進取の気風No.29 「資料展示室」

 晴れ最高気温28度。みどりの日。今日も良い天気です。午後1時から学友会の方々が「不動岡」資料展示室の片づけをしてくださいました。記念館にあった貴重な資料を移動してそのままになっていたものをどのように展示するか、また貴重な資料をどのように保管するか長い間話し合ってきたようですが、まずは現存する棚などを活用してレイアウトから変えてみようとなったようです。私も手伝いに参加しましたが、古い資料が段ボールにしまわれたまま保管されている状態でした。角田守良学友会会長の指示のもと重い資料をみんなで運び、掃除もしました。午後4時30分まで頑張りましたが完全には終わりませんでした。

 不動岡生の皆さんは、学習室の前、美術室の横にあるこの資料室が一体何なのかずっと不思議に思っていたに違いありません。教科研究棟1階の1等地にあるこの資料室をいかに現役の不動岡生のため、そして卒業した学友のために活用しもらうかが今回の整理の大きな目的です。ただの「開かずの間」のままでは勿体ないですから。本来ならば、これだけ貴重な資料があるのでお金をかけてでも博物館並みに展示できるようにしたいと学友会の方々は考えていました。また、展示するだけでは資料が劣化するので貴重な物を保管できる設備も必要であり、資料室を管理する学友会事務局の在り方も議論されました。

 私は、不動岡生の入学時にオリエンテーションとして不動岡高校の歴史を学ぶ、偉大な先輩方の功績を知ることはとても大切なことだと思います。そうすることで不動岡生としての誇りと、現役の3年間で不動岡高校に新たな歴史を刻んでいこうという意欲を持ってもらえると思うからです。

 同級生のU君とポプラ並木の懐かしい写真のパネルを見つけ、一緒に飾り付けをしました。ポプラ並木を伐採した時に記念として残された切り株の上に3枚のパネルを飾りました。入口付近にレイアウトしたので廊下から容易に見ることができます。やはり私くらいの年代は不動岡高校と言えば、このポプラ並木です。年配の卒業生が訪れて昔を懐かしむことができるように古いアルバムも閲覧できるようにしてあります。不動岡高校の本当の良さは卒業してみないとわからないのかも知れません。でも、現役の今は不動岡高校の良さがわからなくてもよいと思っています。不動岡高校を懐かしく思えるのは、現役時代に過ごした3年間に思い入れのある生き方ができたかどうかです。今、この高校でともに学び、ともに喜びや悲しみを分かち合い、そして今しかできないことをしてください。不動岡高校に対する想いは人それぞれ違うと思いますが、ふと高校時代を懐かしめる場所があるということはとても良いことです。学友会の皆様に心から感謝いたします。

5月3日(金)進取の気風No.28 「平和」

 晴れ最高気温25度。憲法記念日。本日は角田加須市長から加須市合併15周年記念第15回加須市民平和祭にご招待いただきました。利根川河川敷緑地公園で10時から開催される式典でしたが、ジャンボこいのぼりがお目当てのご家族連れが多く、道路は渋滞で到着がギリギリになってしまいました。受付を済ませようとすると「のんぺ校長!待ってたよ!」と中学校の同級生が迎えてくれました。小学校時代の懐かしいあだ名で呼ばれ、45年以上前に一気に戻りました。加須市役所に勤めている同級生が他にもいて記念撮影までしてしまいました。ご紹介をいただいた方々にご挨拶をしていたら手持ちの名刺がなくなってしまいました。油断してました。

 式典では、小学生による平和都市宣言、中学生による平和作文発表、市民合唱団体による市民平和合唱がありました。「平和」には2つの意味があります。一つは「安らかにやわらぐこと。穏やかで変わりのないこと。」英語ではthe state of being calm or quietです。peace of mind「心の平和、平和な心、穏やかな心」というように使います。もう一つは「戦争がなくて世が安穏であること。」です。平和というと「戦争」を想起します。中学生の平和作文の中でも、ロシアによるウクライナ侵攻、ガザ地区でのイスラエルとパレスチナとの紛争について触れられていました。また、加須市平和都市宣言の中にも「平和の大切さを忘れることなく継承し」「平和な社会を築くことを誓い」とあります。自分だけ、自分の家族や身の回りの人たちだけが平和ならそれで良いのではなく、平和な社会を築く一員となること、そして、現在、戦争や紛争の真っただ中にいる人たちのことを思い、自分に何ができるのかを考えることの重要性を感じました。ちびっこもたくさんいた合唱団が「こいのぼり」を合唱しました。「こいのぼり」の家族は実に平和で幸せそうです。何よりこの青空の下、幼稚園児からご年配の方から成る合唱団が歌う「こいのぼり」を聴けること自体が平和なのだと感じました。

 5月3日は憲法記念日。この祝日には毎年、憲法改正の世論調査結果がニュースになります。毎日新聞の調査では改憲賛成が27%、反対が52%という結果でした。これは憲法ひとくくりにした場合の結果ですが、条項によってはその割合が違います。日本国憲法の何が議論されているのか、その背景は何なのか高校生も一国民として考える良い機会だと思います。

 予定されていた1回目のジャンボこいのぼり4世の遊泳は、残念ながら風が弱すぎるためうまくいきませんでした。このジャンボこいのぼりは全長100メートル、重量は約330キログラムで、風速4メートルないと空に舞い上がらないそうです。少しの間だけでも大空に舞うジャンボこいのぼりを見たかったですね。青空におおらかにゆったりと舞うこいのぼりは圧巻に違いありません。集まった市民の多くは2回目の遊泳を期待して待っていましたが、私は学校に戻りました。途中、午前中の部活が終わって駅に向かって歩く、日傘を差した女子生徒たちの集団の横を車で通り過ぎました。何気ない一瞬にも平和を感じました。中庭では、青空の下、3年生たちが団旗完成に向けて精を出していました。

5月2日(木)進取の気風No.27 「団長挨拶」

 晴れ最高気温21度。本日は霞ヶ関にある国立教育政策研究所に行って来ました。一般社団法人教育環境デザイン研究所理事で東京大学生産技術研究所リサーチフェローの白水始氏に面会するためです。白水先生は学習面における認知科学をご専門にされており、知識構成型ジクソー法に関しては長年に渡り埼玉県教育委員会と連携されてきた方です。この度、白水先生に全英連(全国英語教育研究団体連合会)埼玉大会の基調講演を依頼することとなり、ご挨拶も兼ねて、講演内容についての打ち合わせをするために行って参りました。学者であり実践者でもある白水先生は引き出しが多く、そしてその引き出しの1つ1つが大きいことに大変驚きました。質問をすると関連したエピソードや学説等をわかりやすく話してくれました。読んだ著書の内容をかいつまんで説明ができるということはそれだけ理解している証拠であり、頭の回転の速さ、鋭い洞察力には感動すら覚えました。知識をひけらかすような素振りは全くなく、コミュニケーションを大切にされる方なので、いつまでも話をしていたいと感じました。

 学校に戻って、放課後に体育祭実行委員長・副委員長・委員と各団の団長全員が挨拶に来ました。団長一人一人がとても個性あふれる自己紹介をしてくれました。全員が立候補して団長になったそうで、私からは団長というリーダーとしての役目として、①一人一人に気配り・目配りすること②団長自ら恥ずかしがらずに弾けて盛り上げること③決して内輪受けにならないようにすることの3点をアドバイスしました。団長たちからは正式な選手宣誓の前に余興があるので校長にも参加して欲しいと要望されました。そんな伝統があったかなとは思いましたが、コンプライアンスに引っかからない程度に頼みますよと了承したところ、大変喜んで全員で記念撮影することになりました。不動岡生らしい一面が見られてほのぼのとした気持ちになりました。

5月1日(水)進取の気風No.26「失敗」

 曇り後雨最高気温19度。今日から5月に突入しました。7時30分頃からぽつぽつと雨が降り出しました。昨日もせっかくジャージに着替えたのに雨が降り出して体育祭の練習ができませんでした。体育祭は5月30日(木)です。雨の場合は翌日の31日(金)に順延、それでもできなかった場合は延長しないことになっています。続く6月1日(土)と2日(日)に文化祭があるからです。天気には逆らえませんが、体育祭から始まる学校祭に完全燃焼してもらいたいと願っています。

 5月号の「広報かぞ」という市便りをいただきました。角田守良市長が毎月書いていらっしゃる「市長コラム」で私のことについて触れてくださいました。4月4日に加須市役所にお邪魔してご挨拶させていただいた際に交わした会話の内容です。不動岡高校は古くから加須市と深く関わりを持ってきました。現在、そして未来においても加須市の発展に寄与し、「加須市に不動岡高校あり」の存在感を保ち続けることの重要性を感じています。

 「広報かぞ」を読ませていただくと、「加須のITSUZAI」欄にある洋画家の小林辰也さんの記事に目が留まりました。日展で10回以上入選され会友の資格もお持ちの方です。お恥ずかしながら存じ上げませんでしたが、昭和15年のお生まれで80歳を超える今も精力的に活動されています。その記事の中で小林さんは「絵を描いている途中で、失敗したと思うことは何度もあります。でもそのたびに、描き方や色づかいを変えるなど、くじけずに思い切ってやってみる。そうして、失敗を乗り越えられたときの喜びが、やりがいとなっています。これからも『迷ったらやってみる』ことを大切に、自分が本気になれる絵を、楽しみながら描き続けていきたいです。」とおっしゃっています。

 誰にでも失敗はあります。くじけそうになったり、諦めたくなったりすることは誰にでもあります。そして、失敗を恐れて果敢に挑戦することを避け、「失敗しない」ように無難に事を進めることを意識するようになってしまいます。もちろん、同じ失敗を繰り返すことは、そこから何も学んでいないことなので戒めなければなりませんが、それでも若いうちは失敗を恐れず挑戦して欲しいと思います。リスクがあることを承知のうえで、成功した時の状況を頭に描き、自分を信じて挑戦して欲しいと思います。小林さんの「失敗を乗り越えられたときの喜びが、やりがいとなっています」というお言葉には頭が下がります。不動岡生も若いうちは小さくまとまらず、迷ったら思い切ってやってみてください。