校長日誌

不動岡高校 校長日誌2024「進取の気風」

6月20日(木)進取の気風No.65 「ブログの言い訳」

 晴れ後曇り最高気温31度。いよいよ今度の日曜にあたりから梅雨入りとなるのでしょうか。蒸し暑い日が続くことになります。不動岡生の皆さん、体調管理には気をつけてください。

 先日、第106回全国高等学校野球選手権埼玉大会の抽選結果が新聞に掲載されました。本校は7月14日が初戦で相手は狭山工業高校です。今大会から勝ったら甲子園のように校歌が流れると聞いています。球場で勝利後の校歌を共に歌いたいものです。どこが勝ち上がるかはわかりませんが是非ともベスト16以上を目指して持てる力を全て出し切って戦って欲しいです。女子校務の頃は、この時期になっても野球の話題が職員室で上がらず寂しい思いをした記憶があります。野球だけが特別ではありませんが、甲子園をかけた試合に一喜一憂する季節がやってきました。野球部の皆さん、頑張ってください。

 「校長先生はいつブログを書いているのですか?」と質問を受けることがあります。私は異動して家が近くなったこともあり、朝早く学校に来て書くこともあれば、放課後落ち着いた時に書くこともあります。書き始めると集中するので、大抵、30分程度で書き終えます。問題は「何を書くか」です。その日にふと思いついて書くこともありますが、不動岡高校の校長になってから、新聞を読む時も、テレビを見ている時も、スマホでネット検索している時も、本を読んでいる時も、散歩している時も、電車に乗っている時も、研修や会議に出ている時も、常に不動岡生に伝えたいことはないかと考えるようになりました。ですから、休みの時も思いついたことを家でメモしておくこともあります。学術書を書くわけではないのでブログ本来の「気楽な」ものにしたいと常々思ってはいるのですが、ついつい理屈っぽくなって文章が長くなり、ますます現役の不動岡生に敬遠されるブログになってしまっている、そういう自覚はちゃんとあります。公式インスタを始めたので日々の不動岡生の姿はお知らせすることができ、軽めの内容はそちら任せてあるという安心感からか、ついついお堅めのブログになってしまうのでしょうか。まあ、公式インスタを始める前から文章は長かったですが…。とにかく、日常が「不動岡高校」のことばかりです。ですから、不動岡高校の校長の任期(「人気」ではなく…)が切れたら腑抜けになってしまうのではないかと勝手に自分で心配しています。現役の不動岡生には私の高校時代の話や同級生や先輩方のこと、不動岡の歴史のこと、不動岡の先生方のこと、加須のこと、私が覚えていることやこれから調べること等を伝えておきたいのです。中学生の受験生の中にもこの「校長日誌」を読んでくれている人がいると聞きました。不動岡高校に入学したいと思ってくれている中学生にもこの不動岡高校をより知ってもらえればとても嬉しいです。とはいえ、やはり毎日続ける自信はございません。悪しからず、ということで…。

6月19日(水)進取の気風No.64 「情熱とやる気との違い」

 晴れ最高気温32度。昨日とは打って変わって清々しい朝でした。

 さて、「今日はなんかやる気が出ない」と言いますが、「今日はなんか情熱がない」とは言いません。「吹奏楽にかける情熱がすごい」と言いますが、「吹奏楽にかけるやる気がすごい」とは言いません。情熱は『長い線』みたいなもので1週間や2週間で消えるものではないのに対し、やる気は『小さな点』であり、10分や20分で消えてしまうこともあります。情熱がある人は長期間にわたって熱中しているので周囲にもわかるものです。勉強に「やる気」が出ない日もあるでしょうが、その「やる気」を長期にわたって続けていけば、それは「情熱」に変わります。大きな行事も終わり、いよいよ受験勉強を本格的に始めることになります。「情熱」を持って受験勉強に取り組んでください。サッカー部を始め、部活動を続けている3年生もいますが、「文武両道」の精神で最後の大会まで最善を尽くして頑張って欲しいと思います。

 「やる気」と言えば、前述した「『鬼滅の刃』で心理分析できる本(清田予紀 三笠書房」という本の中に「『やる気スイッチを押す天才・胡蝶しのぶ」という章があります。「鬼滅の刃」というアニメには個性あふれる登場人物が沢山現れますが、その中に嘴平伊之助と我妻善逸というキャラクターがいます。二人とも性格や能力がまるで違いますが、面白いのは胡蝶しのぶが二人に対してかけた言葉です。胡蝶しのぶが2人に初歩的で基本の技を教える際に、「まぁ、できて当然ですけれども仕方ないです。できないならしょうがない、しょうがない。」と負けん気が強く猪突猛進型の伊之助を大奮起させました。一方で、自己肯定感の低い善逸には、手をギュッと握って、「頑張ってください、善逸君、一番応援してますよ。」と特別扱いして励ますことで大奮起させていました。

 教員にとっては、担当する40人近い生徒一人一人に見合った言葉がけをするのは難しいですが、「やる気ボタン」は人それぞれです。教員にも当てはまりますが、ついつい親の立場だと「勉強しなさい、大丈夫なの?」と言いたくなることもあるでしょう。しかし、言ったところで「やる気ボタン」はONになりません。ONになるどころかOFFがロックされてしまう恐れもあります。最終的には本人次第ですが、人生の先輩として言葉がけ・声かけに気を配り、時には何も言わずに「待つこと」も必要なのかもしれません。問題は「よし、頑張ろう!」と本人が思うのがいつなのかということです。私は父から「お前は大器晩成型だな。」とよく言われました。なかなか本気を出さない自分にかけた言葉だったのかも知れません。本人の「やる気」がいつか出ることを信じ、そして、その「やる気」が「情熱」に代わることを信じたいものです。

 昨日は出張等で不在でしたが、その間にPTA華道サークルの方々が花を活けてくださいました。今回はガマ、スカシユリ、ナデシコの作品です。ユリの花はまだ蕾ですが咲いたらきっと美しいでしょうね。ありがとうございました。

6月18日(火)進取の気風No.63 「何のために『学ぶ』のか」

 雨後曇り最高気温24度。朝から雨でした。ちょうど4限が終わる頃に雨脚が強くなりました。三者面談二日目です。保護者の皆様、足元の悪い中、ご来校いただきありがとうございます。

 ところで、昨日は3年生進路講演会があり、駿台予備校大宮校校長・英語科講師の大島保彦先生を講師としてお招きいたしました。出張する直前でゆっくりとお話しする時間がありませんでしたが、「限りない自分の力で未来を創る」という演題を拝見して感動しました。予備校の講師なので大学入試に特化したお話だと思っていましたが、大学受験のプロがこれから本格的な受験勉強を始める3年生に対して、大きな視野で人生の道しるべとなるような演題を用意してくださっていたからです。是非とも拝聴したかったですが、きっと3年生の心に響くお話だったと察します。大島先生、ありがとうございました。

 さて、またお堅い話ですみません。筑摩書房のちくまプリマー新書に「中学生からの大学講義」というシリーズがあります。私が第1巻を購入した時には既に第5巻までありました。第1巻が「何のために『学ぶ』のか」、第2巻が「考える方法」、第3巻が「科学は未来をひらく」、第4巻が「揺らぐ世界」、第5巻が「生き抜く力を身につける」というテーマになっています。第1巻の初版が2015年1月10日です。今から8年も前に刊行された本ですが、第1巻の冒頭に「『今こそ、学ぶのだ!』宣言」のページがあり、その最後の方に「正解のない問いに直面した時こそ、必要な“考える力”を育むヒントになると思います。変化の激しい時代を生き抜くために、今こそ学ぶのだ!」と書いてあります。まさに新学習指導要領の中心となっているものです。

 第1巻の7人の著者も有名な方たちばかりです。外山滋比古氏「知ること、考えること」、前田英樹氏「独学する心」、今福龍太氏「学問の殻を破る」、茂木健一郎氏「脳の上手な使い方」、本川達雄氏「生物学を学ぶ意義」、小林康夫氏「学ぶことの根拠」、鷲田清一氏「『賢くある』ということ」という内容です。私がこの第1巻をいつ購入したか覚えていませんが、もしいつか進学校の校長になることがあったら是非とも生徒に読んでもらいたいと思った本の1つで、ずっと手元に置いておきました。「中学生からの大学講義」とありますが、大人が読んでも面白く深く考えさせられる内容であり、果たしてこれを中学生向けに書いたのかと思うほどです。筑摩書房が桐光学園と共同で編集したシリーズで、神奈川県にある超一流の中高一貫校である桐光学園の教育方針が反映されているのでしょう。進学校の校長として「現役合格率」「国公立大学・難関私立大学の合格実績」という数値目標に注目しがちですが、この本が「何を学びたいのか」という根本的な自らへの問いに対する様々な働きかけをしている点に私は着目しています。現在の成績や模試の結果から「行ける大学」を絞っていくのは当然のことかも知れませんが、「何を学びたいか」「どの大学で学びたいか」「学びたいことを学べる学部・学科はどこか」という問いに対して真剣に考えるきっかけを与えてくれる本です。「学問」という観点で専門分野のスペシャリストの方々が「考えるヒント」を記してくれています。

 ちょうど今、三者面談中です。3年生の中には既に進路が決定している人もいるでしょうが、1,2年生にとってはもしかしたら人生を変えてくれる本かも知れません。興味があったらではなく、是非とも不動岡生全員に読んでもらいたいシリーズです。

6月17日(月)進取の気風No.62 「プロの料理人」

 晴れ後曇り最高気温32度。とても蒸し暑い一日です。15日(土)のTBS「情報7daysニュースキャスター」は女子バレーがセルビア相手にストレート勝ちして放送が繰り上がったため、予約していたのに油断してうまく録画ができませんでした。残念です。テロップの「ふどかこうこう」はTBSの痛恨のミスでしたが、約6分間の尺で全国放送され、県内はもちろん県外の知り合いからのメールが届きました。不動岡高校の名が全国に知れ渡ることはとても嬉しいです。応援部の皆さんの陰ながらの努力をしっかり見させてもらいました。16日(日)は地元の総合水害広域避難訓練が本校を会場に実施されましたので冒頭の挨拶に伺いました。朝方は雨が降り、非常に蒸し暑い中、本校をご利用いただきありがとうございました。北グランドでは、加須ジュニア陸上クラブの練習にちびっ子たちが大勢集まっていました。お子様をお連れのある保護者の方から「校長先生、毎日ブログを読んでいますよ」と声をかけられました。始めた頃は毎日書くつもりはありませんでしたが、プレッシャーですが細々と今後も続けていきたいと思います。ところで、コーチの藤間修一先生は私が高校生の時に体育で教わっていましたが、藤間先生がデモンストレーションしてくださった三段跳びに度肝を抜かれたことを今でも覚えています。今週は三者面談週間で午前4時間授業です。本校はこの間、完全下校が17時となり部活動にもけじめをつけ勉強時間を確保しています。

 2週間の教育実習生たちが14日(金)の放課後に研究授業の指導を仰ぎに校長室に来ました。私が共通して話したことは、新教育課程の3観点をどうやって授業に反映させるかということでした。従来の「知識・技能」の習得に重点を置く授業を否定するつもりはありませんが、穴埋め式のオリジナル授業プリントに沿って説明・解説していくスタイルはどうしても講義形式となり、生徒の言語活動があまりできません。進学校ではどうしても大学受験を意識して教材研究をしますので先生方が独自の教材を作って授業をしていますが、私は、極端なことを言えば、穴埋め式のプリントは調べ学習で良いと思っています。生徒に一定の時間を与えて、教科書・資料集・参考書などを使って自分で調べさせる。その間、大事だと思う個所にマーカーや下線を引き、プリントにメモをする、どうしてもわからないことは机間巡視する教員に質問したり、周囲で話し合ったりしても良いでしょう。今ではICT機器やiPadを有効に活用できるので、プロジェクターに解答を示しながらポイントを絞って説明し、残りの時間は「思考力・判断力・表現力」の育成を図る取り組みをしてもらいたいと思います。導入時に本時の「ねらい」「テーマ」を明示し、いかに「考えさせる」設問を用意するかが重要です。周りで意見交換しながら思考を深め、自分の言葉でまとめさせれば「表現力」の育成にもつながります。最後に振り返りの時間を設け、1時間の授業で学んだことを整理できれば記憶の定着にもつながります。

 実習生には授業はコース料理と同じで、最初に食前酒や前菜(導入「ねらい」「テーマ」)、メインデッシュ(展開)が「思考力・判断力・表現力」の育成、最後のデザートとコーヒー・紅茶が「振り返り」だと話しています。与えられた食材をどのように料理して最高の料理を提供するか、その料理人こそが「教師」であり「プロ」ですと。そして、授業はライブ、教員はパフォーマー、いかに観客を乗らせ、一体感を持たせるかと。私たち教員はどうしても学生時代に教わったように授業をしがちですが、依然として旧教育課程の教え方のままではいけません。現職の先生方はもちろんですが、これからの埼玉の教育界を背負っていく卒業生にも私の想いを託しています。先生方の授業を受けて、自分でもっと調べてみよう、学んでみようという「主体的に学習に取り組む態度」「学びに向かう力」の育成を図ることが理想の形です。そんな授業がこの不動岡高校でできればと思っています。

6月14日(金)進取の気風No.61 「校歌」

 晴れ最高気温33度。真夏日。校長室と応接室との間の壁に校歌の歌詞が記された黄金色に輝く立派な額が飾られています。第28代校長の門谷修二郎先生が寄贈してくださったものです。第139回入学式の式辞で1年生には紹介したとおり、作詞者は第12回卒國学院大学学長・名誉教授の河野省三氏です。

 本校は令和8年度に創立140周年記念事業を実施する予定となっています。その10年後には創立150周年の節目を迎えますので、記念事業自体は大掛かりなものにはならないと思われます。先日、学友会役員会の席で創立150周年には本校の校歌や応援歌などのCDが欲しいと申し上げたところ、古参の役員の方から創立100周年か110周年の時に既に作ってあるという情報がありました。同級生のU君が音源を持っているというので、早速送ってくれました。スマホで聴いたのですが、何となく昭和の雰囲気の編曲で懐かしさが込み上げてくる音源でした。近いうちにHPにアップロードできればと思っています。

 ちょうどこの役員会の前に、不動岡高校をこよなく愛するOBの新井陽吉氏が開校50年史を届けてくださいました。開校から旧制中学時代の不動岡の歴史が詰まっている書物です。その中に校歌のページがありましたが、当時は「不動岡中學校之歌」と称されていたようです。改めて歌詞を読んでみますと現在の歌詞とは異なっている部分があることに気がつきます。1番:「我が中學の名は高し」←「我が学び舎の名は高し」2番:「剛勇質素の健児團」←「明朗質素の若き友」3番:「忠と孝とにいそしみて」←「道と技とにいそしみて」の個所です。おそらく現在の歌詞は戦後に修正が加えられたものだと思いますが、このことについてはまた後ほど調べたいと思います。長い歴史の中で曲調は変わらず、代々脈々と歌い続けられた校歌です。私は不動岡高校校歌を歌うたびに、1番にある「千辛万苦築きたる」の歌詞がずっと気になっていました。「千辛万苦」とは「さまざまのつらいことや苦しいこと。多くの辛苦。(広辞苑)」です。「千辛万苦して成功を得る」のように使う四字熟語ですが、「千辛万苦」を「築く」とはどんな思いが込められた表現なのか、ずっと気になっていました。まだ、旧字体で書かれている「開校50年史」の全てを読んではいないので詳細はわかりませんが、地元有志が私立埼玉英和学校を設立し、その後不動岡中学校となるまでに様々な苦難を乗り越えて築き上げてきたというその思いがこの一文に込められているのだと思います。「我が学び舎の高し」と続く一番の歌詞は、今では県内で一番とも言える施設・設備が整えられた校舎で学ぶ不動岡生が現在、未来において、日本、そして世界で名を届かせる活躍をして欲しいという先人達の願いが込められている気がしています。

6月13日(木)進取の気風No.60 「新聞」

 曇り後晴れ最高気温30度。今日は湿度も高く少し歩くと汗ばむ陽気です。規定ではクーラーの使用は7月1日からですが、今週は暑いのでクーラーが使用できるようにしてあります。節電に気を遣いながら有効に使用してください。

 本日の埼玉新聞社会面のある記事の見出しに目が留まりました。「『ICT使うほど学力低下』さいたまで県NIE総会 実践指定校に20校」という見出しです。日本新聞協会NIEコーディネーターの関口修司さんは、国の学力テストの結果分析を基に「ICTのデジタル機器は使える必要があるが、使えば使うほど学力が下がることが分かった」と指摘したとあります。これはショッキングな記事です。本校はICT活用に関してかなり先進的に取り組んでいると思います。iPadを有効活用することでペーパーレスになり、授業だけでなく日常生活においても利便性を図っています。各階に設置されているモニターで生徒への連絡事項も周知できる仕組みもあります。教室ではプロジェクターを使って、従来ならば教員が黒板に書いてから説明していたようなことも画面を映し出して無駄な時間を作らず効率的に指導することができています。国を挙げてDXを推進する時代に逆行するような見出しに驚きました。

 記事によると「子どもたちはスマートフォンで動画漬けになっており、脳の機能が低下している」そうです。ふと「脳トレ」で有名な東北大学の川島隆太教授がスマホの使用に警鐘を鳴らした著書のことを思い出しました。ネット漬けの子どもほど、思考力や想像力だけでなく、人の気持ちを理解したり、場の空気を読んだりする高次なコミュニケーションをつかさどる前頭前野などの脳機能が発達しないという内容でした。そう言えば、iPhoneを世に出したスティーブ・ジョブズ氏も自分の子どもにはiPhoneは使わせなかったという話がありました。スマホの危険性を誰よりもわかっていたのでしょうか。

 以前勤めていた高校で、ある国語の先生が「わかりすい授業が本当に良いのでしょうか。難しい内容の文章を苦労して読み解く経験が必要なのではないでしょうか。」とある会議で発言していたのを思い出しました。私たち教員は「わかりやすい授業」に関しては何の疑問も持ちません。生徒に理解してもらうためにYouTubeで検索して短い動画を活用する先生もいます。実にわかりやすい。しかし、もしかしたらそこに落とし穴があるのではないかと感じました。わかりやすいのでその場では「わかる」けれども、それを「思考する」領域にまで引き上げていない、「わかった!」で満足し、本当の「理解」にまで達していないのではないか、ということです。私は「予習」が大切だと思っています。自分で調べて、自力で考える、わからないことがわかる、わからないけれど精一杯理解しようとする、それが大切だと思っています。時間が取れない不動岡生ですが、予習でわからない箇所がわかっているだけでも授業での理解が深まります。

 記事では「せめて1日20分は新聞などの多様な文章に触れる必要がある」とあります。本校では毎日5紙の新聞が教室に配られます。先日、朝、新聞を1階から教室に運んでいた生徒に「新聞は読んでますか」と尋ねたところ、「まあ、少し」という返事が返ってきました。せめて、「天声人語」や「編集手帳」、社説などを読んで欲しいと思います。そして、「読解力」をつけるには「書く」ことが必要不可欠です。動画や画像を見て「わかる」だけでなくそれを自分で文字にする、社説などを読んで2,3行でも良いから感想を書く、そんな習慣ができると良いと思っています。

6月12日(水)進取の気風No.59 「花言葉」

 晴れ後曇り最高気温31度。予報どおり今日も暑い一日です。昨日、教育実習生の国語の研究授業に生徒の中に座って参観しました。「推敲」という漢詩を題材にした授業でしたが、書き下し文を朗読すると漢詩独特のリズム感や表現など「音」で楽しむことができました。高校時代は、漢詩の文法や構文ばかりに目を向け、「鑑賞」の部分にあまり力を入れていませんでしたが、こうして年齢を重ねると、専門ではないですが、自分なりの解釈や感じ方ができて興味深いと思いました。どうしても大学受験のための勉強として授業を受けると本来の学問的な深みが失われるような気がします。

 私が教員として教鞭を執っていた頃と違って、講義形式の授業はほとんどなくなりました。教育実習生の授業でも隣り同士でのペアワークを随時取り入れて、生徒たちの言語活動の時間をうまく作っていました。生徒たちは男女関係なくペアワークを自然と行っていますが、これも小学校や中学校からやっていることなので抵抗がないのでしょう。生徒の中に入って授業を受けていましたので、生徒たちのペアワークの状況がよくわかりましたが、うまく書き下し文が作れなかった男子に女子がうまくサポートしている姿も見えました。その女子生徒はiPadにも予習時に書き込んだのかメモが書いてありました。今ではノートを使う生徒はあまりいないようです。こうして男女でお互いに協働しながらペアワークが有効にできるのも男女共学ならではのことなのかも知れません。

 PTA華道サークルの方が花を活けてくださいました。今回はユリ科のギグンジューム(アリウム)、ボタン科のシャクヤク、ユリ科のギボウシを使っての生け花です。シャクヤクはこれから奇麗な花を咲かせてくれることでしょう。ギグンジュームの花言葉は「円満な人柄」「正しい主張」、シャクヤクは「謙遜」「恥じらい」、ギボウシは「静かな人」「冷静」だそうです。これらの花言葉はまさに校長の資質として必要不可欠なものではないでしょうか。面談や出張、その他諸々のことで落ち着いてじっくりと不動岡高校のことを考える時間がなかなか作れない中、我を振り返る良いきっかけとなりました。やるべきことが多岐に渡ると、急ぐあまり、いろいろと考えるあまりにイライラしたり、ため息をついたりしてしまいます。校長として奢ることなく、懐深く、学校のため、生徒のため、先生方のため、地域のために冷静に、正しいものの見方で判断し、行動できる校長でなければならないと戒められました。校長室の私の背後には歴代の校長の写真が飾られています。過去の校長から受け継ぎ、さらに発展させて次の校長へと繋げていかなければならない使命というべきものがあることを忘れてはならないと感じました。

6月11日(火)進取の気風No.58 「教育実習生」

 晴れ最高気温30度。今週は真夏日が続くようです。まだ湿気が少ないので良いですが、梅雨に入ると私の苦手なじめじめした天気が続くことになりますね。

 さて、6月3日から教育実習生が18人来ています。過去に多い時は30人を超えた年もあったと聞きます。2週間の実習生もいますがほとんどが3週間です。初日には校長講話ということで、学校の組織(分掌、委員会、学年、部活動等)、埼玉県の教育課題、教員として望まれることや心構えなどを話しました。埼玉県には「未来を創る、こどもたち、未来を育てる、わたしたち~未来への責任~」というキャッチフレーズがあります。是非とも未来の埼玉のために貢献できる教員になって欲しいものです。

 私の頃の教育実習期間は2週間で、当時、英語の教育実習生は私と現在埼玉大学の及川教授でした。及川先生は現役で東京外国語大学に行きましたから、私の1つ後輩に当たりますが、その頃から英語力は抜群でした。当時の不動岡高校英語科には、AET(当時はALTとは言いませんでした)が1人いました。オーストラリアのタスマニア島出身のケイティーという女性でとても明るく陽気で、チーム・ティーチングを盛り上げていました。T.Tと言っても当時はネイティブの英語に慣れることが目的で、ゲームやアクティビティを通じてインタラクティブな授業をすることが中心でした。現在のように教科書自体がコミュニケーションを重視する内容ではなかったので英語の先生方が工夫して授業案を作成していました。今でも覚えているのは、放課後になるとAETのケイティーを交えて英語科の先生方全員が車座になって英語であれこれとおしゃべりをする時間があったことです。私の頃は、難しい英文を文法訳読式の精読で理解することと和文英訳が中心の英語教育で、スピーキングやリスニングはあまり重視されていない時代でした。しかし、そういう時代であっても英語で会話をする練習を英語科の先生方が自ら率先して行うその意欲が、不動岡高校の外国語科時代を通じて、現在につながっているのだと思います。

 自分の研究授業では、オール・イングリッシュを試みましたが、途中から担当の英語の先生とケイティーの3人の授業となってしまい、生徒は楽しかったようですが、指導案通りにうまく進まなかったという記憶があります。放課後は部活動に顔を出したり、担当のクラスの生徒との相談相手になったりしていました。当時の生徒が何人か休みの日に私の家に遊びに来るということもありましたが、あの時の生徒も今は結構いい歳になっていると思います。どこかで頑張ってくれていることでしょう。初々しい教育実習生が頑張っている姿を見て、教員を目指していたあの頃をふと思い出しました。

6月10日(月)進取の気風No.57 「俯瞰の目」

 雨後曇り最高気温26度。ラジオのニュースでは埼玉は8週連続月曜日は雨だそうです。生徒たちが登校する頃には雨はポツポツ程度でしたが1時間目の頃には雨も止みました。4月から8時前には体育祭の団ダンスの練習でジャージに着替えた不動岡生で賑わいましたが、大きな行事も終わり静かで落ち着いた日常となりました。今月は17日から三者面談が始まります。受験体制に入る3年生にとっては進路を決めていく大切な面談となります。

 「2000社の赤字会社を黒字にした社長のノート 仕事に大切な『気づきメモ』(かんき出版)」という本があります。著者は長谷川和廣さんという方です。私が管理職の道に進んでビジネス書をたまに読んでいた頃に買った本です。その本の中に「学歴があっても学力がない人、体力があっても根性がない人」という章があります。「学歴があっても学力がない人は教えた仕事だけは本当にきちんとやります。しかし、自分で考えることに積極的ではないので進歩が遅い。一方、体力があっても根性がない人はあきらめが早い。それは今の仕事で自分に何が求められているのかを突き詰めて考えていないから、やる気が湧いてこないのです。」と書いています。一流企業を渡り歩いた長谷川氏は何人も一流の難関大学を卒業した部下や大学の体育会系でバリバリ活躍していた部下を何人も見てきたことでしょう。おそらく、この「学歴があっても学力がない人」は、いわゆる進学校出身で、難関大学に合格するために懸命に勉強し、良い成績、高い偏差値を取ってきた人たちだと思います。最初に読んだ時、教育に携わる者として、これは日本の教育の弱点であり、過ちでもあると感じました。もちろん「学歴があって学力もある人」もたくさんいるでしょうが、「教えた仕事だけは本当にきちんとやります」というのは、いわゆるAランクの難関大学に合格することだけを目標に高校時代に受験勉強してきた人にありがちな社会人としての姿なのだろうと感じました。そして、高校や塾、予備校の先生に与えられたことをしっかりこなし、指示されたことをしっかり守って成績を上げてきた高校生時代の姿を想像しました。

 この章の後半で、長谷川氏は次のように書いています。「もし、私がこのような部下を持ったときは、「俯瞰の目」を持って仕事に当たらせます。たとえ平社員でも自分がセクションの長になったと仮定したとき、自分に何が求められ、何をすべきか考えさせるのです。それによって責任感も生まれます。実は早く出世していく人たちの共通点は、この俯瞰の目を持っていることです。常に全体像を見渡して行動するクセがついているので、ひとつ上のレベルを任せても安心なのです。」俯瞰とは大空を舞う鳥が地上を高所から見渡すイメージで、「広い視野を持って物事を捉えたり、考えたりすること」を意味します。巨視的に捉えることですが、その反意語は「微視的」です。この微視的の類義語が近視眼的、一方的、場当たり的、盲目的という感じでしょうか。点数を取るために「微視的」に勉強してきた人は知識があっても、自分で考えて判断する力が弱いのでしょう。この力を鍛えるための教科書はないですが、是非とも不動岡高校での3年間で養ってもらいたい力です。いや、不動岡高校自体がこういう力を育成する学校にならなければいけないということですね。

6月8日(土)進取の気風No.56 「オーストラリア研修」

 晴れのち曇り最高気温29度。今日も良い天気です。梅雨入りの平年日は関東地方は6月7日だとテレビで言っていました。今年は17年ぶりに梅雨入りが遅れ6月15日(土)あたりだろうということです。本日は土曜日授業です。公式SNSの効果なのか見学者がいつもより多い気がします。ありがたいことです。

 12:25に4時間目終業のチャイムが鳴ると不動岡生がぞくぞくと食堂とパン売り場に集まります。土曜日でも通常営業です。小松ベーカリーさんのパンはどれを選ぼうかと悩みます。私も生徒の列に並び、不動岡生が好きなハッシュドポテトと定番のあんパン(こし)を購入しました。校長室に戻る途中で、同じくパンを買った1年生女子が「校長先生!私のお父さんが校長先生のブログを毎日読んでて、とてもいいこと書いてあるからお前も読めって言うんです。」と話しかけてくれました。「それで読んでくれたの?」「いえ、読んでません。」迷いのない返答でした。本当は多くの不動岡生に読んでもらいたいのですが、文章が長くてお硬い内容だと今の高校生は読んでくれないんですよね。重々承知しております。でも、後輩でもある不動岡生の皆さんに校長として、先輩として伝えたいこともあるのです。「毎日読んでくださって嬉しいと校長が言ってたとお父さんに伝えてください。」そう言って校長室に戻りました。

 本日は午後2時からオーストラリア海外研修に参加する生徒の保護者会がありました。多数の応募者の中から20名を選考し、英語科教員2名の引率で7月26日(金)から8月3日(土)までの9日間、ブリスベンからバスで3時間ほどかかるところにあるキンガロイ市でホームステイすることになります。お世話になるキンガロイ高校は平成15年(2003年)に姉妹校提携を結んだ高校です。市長訪問、スクールツアー、小学校訪問を始め、山に登って野生の鳥に餌あげをしたり、ESLクラスで英語の授業を受けたり、最後はグリフィス大学のキャンパスツアーに参加したりと盛り沢山の内容です。最終日のFarewell Partyではホームステイした家族と一緒にいられる最後の時間となります。

 不動岡高校では外国語科の取組を生かしアウトプット中心の英語教育を行っています。授業ではStandard Englishを使い、ALTもわかりやすい英語で話してくれます。授業ではあくまでも仮想空間での英語のやり取りが中心となりますが、オーストラリア研修では実践となります。Dialect(方言)ありAccent(訛り)あり、話すスピードにも面喰うことがあるかも知れません。ポイントは臆することなく積極的にこちらから話しかけることです。良い経験、楽しい思い出だけで終わるのではなく、この9日間の経験が参加した皆さんの将来に良い影響を与えるものになることを心から期待しています。